平成18年9月5日
- 我が国政府は、タジキスタン共和国政府に対し、「ドゥスティ-ニジノピャンジ間道路整備計画」の実施に資することを目的として、総額5億9,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が9月5日(火曜日)、同国の首都ドゥシャンベにおいて、我が方高橋博史在タジキスタン国臨時代理大使と先方タルバク・ナザロフ外務大臣(H. E. Talbak NAZAROV, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- タジキスタンは、国土の90%が山岳地帯である内陸国であり、首都や主要都市から隣国へ通じる幹線道路は、同国経済や社会にとって最も重要なインフラである。しかしながら、同国の主要幹線道路の多くは旧ソ連時代に建設されたものであり、1991年の独立後の内戦及び経済の低迷等による老朽化が激しく、同国経済発展のボトルネックとなっている。
また、本案件の対象道路は、同国とアフガニスタンの両首都を結ぶ主要幹線道路の一部区間であり、同国の国家長期計画における優先道路となっていることに加え、アジアンハイウエイ構想の広域幹線道路としても位置づけられている。また、本案件の起点となる両国国境地点は、現在米国の支援により国境橋の建設が行われており、同橋梁の完成後は人道支援を含めた様々な物資の輸送が可能となり、両国間だけでなく中央アジア周辺地域を含めた物流の活性化による経済の発展が期待される。
- しかしながら、本プロジェクトの対象区間であるドゥスティ-ニジノピャンジ間は、旧ソ連時代に建設されて以降、限られた予算の中でポットホールの修復等の日常維持管理は実施されているものの、機材不足のために抜本的な改修は実施されておらず、国際橋完成後の広域幹線道路としての機能を確保するためには、緊急の改修が必要とされている。また、本プロジェクトの始点となる人口約10,000人のドゥスティ町内の通過交通が増加することが予想され、市街道路について、円滑かつ安全な交通を確保するために必要最小限度の改修が不可欠である。
このような状況の下、同国政府は、我が国に対し、ドゥスティ-ニジノピャンジ間の道路整備(23.7km)及びドゥスティ市内道路の整備(3.7km)について無償資金協力を要請してきたものである。本件は2期分けで実施される予定であり、今次第1期ではドゥスティ-ニジノピャンジ間の道路(8.34km)の整備及びドゥスティ市内道路全ての整備を行う。
- なお、本件は、6月に東京で開催された「中央アジア+日本」対話外相会合の合意文書にて中央アジアからアフガニスタンを経由する南方への輸送ルートの整備が内陸に位置する中央アジア地域全体の発展及び繁栄にとり重要であるとの共通認識が確認されたことを踏まえ実施されるものである。
(参考)
タジキスタン共和国は、中央アジアに位置し、人口は約680万人、一人当たりGNI(国民総所得)は280ドルの国である。