国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

スーダンの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成18年8月23日

  1. 我が国政府は、スーダン共和国政府に対し、「小児感染症予防計画(the project for Infectious Diseases Prevention for Children)」の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し総額5億1,700万円を限度とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月23日(水曜日)、ハルツームにおいて、我が方牧谷昌幸駐スーダン国大使と先方エドワード・チャイバン・スーダン・ユニセフ事務所代表(Mr. Edward Chaiban, Representative of the UNICEF Office in the Republic of the Sudan)との間で行われた。
  2. スーダンは、昨年1月に内戦の終結を迎えたものの、20年にわたる内戦は住民の基礎生活に大きな影響を及ぼし、460万人以上が国内避難民として劣悪な環境下での生活を強いられており、避難キャンプでは都市部と比較して更に悲惨な衛生状況にある。
     さらに、スーダン西部のダルフール地域では、3年前からアラブ系遊牧民とアフリカ系定住農耕民との間の部族紛争が拡大し、アラブ系民兵組織が地域住民等に非人道的行為を繰り返し、現在180万人を超える国内避難民や20万人の難民が発生しており、人道上の危機が懸念されている。
     また、干ばつも続いており、内戦と干ばつという二重の災難を起因とした保健・医療サービスの欠如と劣悪な栄養状態は、特に子どもの生命を危機に直面させており、出生1000単位に対し乳児死亡率は68人、幼児死亡率は108人と深刻な状況である。
     このような状況の下、スーダン政府とユニセフは、スーダンで内戦の影響を受けた地域とダルフール地域を中心として、スーダンにおける小児感染症予防計画を実施するために必要なワクチン、医薬品及び機材並びにそれらの調達に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  3. この計画の実施により、スーダンで内戦の影響を受けた地域とダルフール地域の5歳未満児や妊産婦に対し、蚊帳30万帳、予防接種用ワクチンやプライマリーヘルスケアキットが供与される等、感染症対策に資することが期待される。
  4. なお、今回の協力は、アフリカにおけるマラリア対策のために我が国が表明した1,000万帳の蚊帳の供与の一環として実施するものである。また、本年5月にエチオピアのアフリカ連合AU本部において小泉純一郎総理大臣がアフリカ政策演説において表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。

(参考)
 スーダンは、総人口が3,430万人(2004年)で、一人当たりGDP(国民総所得)が570ドル(2004年)である。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る