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ニカラグアの「国道七号線主要橋梁架け替え計画」に対する無償資金協力について

平成18年8月15日

  1. 我が国政府は、ニカラグア共和国政府に対し、「国道七号線主要橋梁架け替え計画(Proyecto para la Reconstrucción de los Puentes Principales en NIC-7)(詳細設計)」の実施に資することを目的として、4,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月15日(現地時間 8月14日)、マナグアにおいて、猪口邦子内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)の臨席の下、我が方加賀美充洋駐ニカラグア国大使と先方ノルマン・カルデラ・カルデナル外務大臣(Norman Caldera Cardenal,Ministro de Relaciones Exteriores de la Republica de Nicaragua)との間で行われた。
  2. (1)ニカラグアでは、内戦(79年~89年)終了後、着実な経済復興を見せているが、依然としてラテンアメリカ諸国内の最貧国であり、米州保健機構の統計では全人口の約45%が貧困層、約15%が極貧困層にある。

    (2)ニカラグア政府は、2004年、「国家開発計画」を策定し、貧困削減の戦略として国際社会における競争力強化を掲げ、産業、社会、社会経済インフラ、人間開発の必要性を謳っている。運輸部門については、「国家運輸計画(2001~2010年)」が策定されており、道路、港湾、空港整備のマスタープランを定めている。

    (3)今般の対象地域である大西洋側の地域は、山岳部地域であるために、道路・橋梁のインフラ整備が遅れ、その結果、地域開発も進んでないため、貧困層住民の割合も高く、社会問題となっている。同問題を解決するために、ニカラグア政府は、大西洋岸地域の発展による東西地域の経済格差の是正、エル・ラマ港を拠点とした米国等との貿易強化を地域経済開発の主眼として、エル・ラマ港の改修及び国道七号線の改修の対策が進められている。

    (4)中米諸国が経済統合にむけて定めている「プエブラ・パナマ計画(PPP)」において、中米地域の物流活性化のための国際幹線道路網整備が進められており、太平洋岸の主要道路網は大部分整備されているが、現在、太平洋と大西洋を結ぶ幹線道路の整備に優先が向けられている。

    (5)このような状況の下、ニカラグア政府は、開発の遅れている大西洋岸の開発を進めるための基礎となる道路等のインフラ整備を進めており、道路の整備と共に必要となる4つの橋梁(ラス・リマス、オコングア、キナマ、ムアン各橋梁)の整備の必要性の下、「国道七号線主要国道橋梁架け替え計画」を策定し、その実施に必要な資金につき我が国に無償資金協力を要請してきたものである。

    (6)平成18年度は、首都と大西洋側の主要港湾エル・ラマを結ぶ国道七号線上の老朽化している4橋梁の架け替えのための詳細設計を行うものである。

  3. 本計画の実施により、橋梁の耐荷力が増大することから、大型トレーラーの通行が可能となる。これにより、安定した物質輸送が確保され、幹線道路としての機能が強化され、ニカラグア中央部から東部への物流が促進されることから、東部地域の貧困削減、開発促進につながる。

(参考)
 ニカラグアは中米5カ国の一つであり、人口は550万人、農牧業を主要産業としている。一人あたりのGNI(国民総所得)は777ドル(2004年、世銀)。

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