平成18年8月10日
- 我が国政府は、キルギス共和国政府に対し、「ナリン州道路維持管理用機材整備計画」の実施に資することを目的として、総額5億7,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月10日(木曜日)、同国の首都ビシュケクにおいて、我が方笠井達彦在キルギス国臨時代理大使と先方アキルベク・ジャパロフ経済財務大臣(Akylbek JAPAROV,Minister of Economy and Finance)との間で行われた。
- キルギス共和国は中央アジアの北東部に位置する内陸国である。道路交通は、貨物及び旅客とも9割以上のシェアを占める交通手段となっており、重要な経済基盤である。しかしながら、1991年の独立後、経済低迷により適切な道路維持管理が行われておらず路面状況が著しく悪化しており、また道路整備機材の老朽化・故障のため、降雪後の除雪、雪崩や雪解け水による土砂崩れの復旧等においても多大な困難が生じており、国民の生活に必要な物資の輸送だけでなく周辺国との交易にも支障をきたし、経済成長のボトルネックとなっている。
- このような背景の下、キルギス共和国政府は我が国に対し、ナリン州における幹線道路改修に必要な建設機材整備のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
本件供与機材の活用により、ナリン州内の幹線道路の路面状況が改善し、国際道路としての機能が向上し、生産物資・農産物・畜産等の円滑な物流が確保され、社会経済活動が活発化することにより、ナリン州の貧困軽減、生活環境改善にも資することが期待される。
- なお、本件は、6月に東京で開催された「中央アジア+日本」対話第2回外相会合の合意文書にて、我が国が中央アジア各国の道路維持管理のための協力を検討することを表明した一貫として実施されるものである。
(参考)
キルギス共和国は、中央アジアに位置し、人口は約510万人、一人当たりGNI(国民総所得)は400ドルの国である。