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ソロモンの「ガダルカナル島東部橋梁架け替え計画」に対する無償資金協力について

平成18年8月4日

  1. 我が国政府は、ソロモン諸島政府に対し、「ガダルカナル島東部橋梁架け替え計画」(the Project for the Reconstruction of Bridges in East Guadalcanal)」の実施に資することを目的として、総額9億1,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月4日(金曜日)、ホニアラにおいて、わが方児玉紘一在ソロモン臨時代理大使と先方パターソン・オティ外務大臣(Hon. Patterson Oti, Minister of Foreign Affairs of the Government of Solomon Islands)との間で行われた。
  2. ソロモン諸島の交通量の9割を占めているガダルカナル島の交通インフラは、首都ホニアラを中心として東西に延びる幹線道路が唯一であり、このため右インフラは同国の産業活動、市民生活にとり重要な役割を果たしている。ソロモン諸島には河川が多いことから道路上には多くの橋梁が存在するが、これら道路・橋梁は30年近く前の英国統治時代に建設されたものであるため現在の交通量、車重量に即しておらず、また経年による損傷と民族紛争中は定期的な維持管理作業が困難であったことから老朽化が著しい。
     特に、主要産物のパーム油、金、木材の生産地であるガダルカナル島東部地域と消費地であり港湾施設を有するホニアラ市との間を結ぶ幹線道路上に存在するテナル1橋、テナル2橋、及びガリンビウ橋の3橋梁は、その地理的位置から産業活動において重要な役割を担っているにもかかわらず、上記の原因により、1)支点付近の鋼桁の板厚が腐食で建設当初の半分程度まで減少し、またコンクリート床版にはクラックが発生するなど崩落の危険性が高い(テナル1橋及びテナル2橋)、2)東側上部工が既に崩落し現在は仮補修のみで対応している状況にある(ガリンビウ橋)、という問題を抱えており、早急な改善が求められている。
     このような背景のもと、ソロモン政府は、上記3橋梁の架け替えを内容とした「ガダルカナル島東部橋梁架け替え計画」を策定し、我が国に対し無償資金援助を要請したものである。
  3. この計画の実施により、1)最大許容通行荷重が現行の20トンから66トンに増大することにより、大型トラック・トレーラーの安全な通行が確保され、生産物を安定的・効果的に輸送することができること、2)幹線道路の橋梁としての機能が発揮されるため、車両の通行速度が現状の10km/hから50km/h程度に上昇すること、3)主要産物の生産地と物流の拠点である首都ホニアラとの間において生産物の安全かつ円滑な輸送が確保されることにより、ソロモン諸島の経済復興に寄与することができること、が期待される。

(参考)
 ソロモンはメラネシアに所属する約1,000の島々からなる島嶼国で、面積は約2万9,785km2(岩手県の約2倍)、人口は約50万人、農林水産業を主要産業としている。

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