平成18年7月25日
- 我が国政府は、ガイアナ協同共和国政府に対し、「コリバートン給水計画(第1期)」(the project for Water Supply in Corriverton) の実施に資することを目的として、6億5,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月24日(月)、ジョージタウンにおいて、我が方釣田在トリニダード・トバゴ臨時代理大使と先方クレメント・ローヒー対外貿易・国際協力大臣(Mr.Hon. Clement J. Rohee) との間で行われた。
- ガイアナは、1966年にイギリスから独立したが、主要輸出品である砂糖、ボーキサイトの価格の低迷等が原因で、独立から20年近くは経済的に停滞していた。その後、1988年から一時期経済状況の好転を見たが、再び1998年以降経済が落ち込み、1999年には世銀・IMFから「重債務貧困国」として認定される等、中南米諸国の中では最貧国の一つとなっている。また、2001年には、国家計画として「貧困削減戦略ペーパー」を定め、その中でも安全な水の供給は貧困削減と基本的ヒューマンニーズを満たすうえで、特に重要とされている。
- これを受けて策定された2010年を目標とした政府の中期戦略では、(1)人口の95%に対する安全な水の供給、(2)全国を一元化した水供給会社の設立、(3)浄水処理に重点を置いた海岸地帯における事業の強化、(4)総合的な維持管理計画の実施が重点課題とされており、2002年には全国を一元管理するガイアナ水道公社(GWI)が設立されたところである。
- コリバートン地区は海岸沿いに位置しており、給水率はほぼ100%である。しかしながら、井戸を水源として無処理で給水されるため、鉄分濃度が高く、大腸菌群が検出されるなど安全面に問題があるなか、給水時間も平均10時間/日と短い。さらに、水道メーターの普及率が10%と著しく低いため、使用量に応じた料金徴収が不可能、水道水の浪費や漏水の把握が困難である等の問題も生じている。
- こうした状況を受けて、ガイアナ政府はコリバートン地区の給水サービスの質的改善、無収水管理の改善のため、水道関係施設の建設に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、対象地区内の全住民(2015年予測36,600人)に対し、24時間の連続給水が可能となる。また、安全な水が給水されることにより、伝染病感染率が減少することが見込まれている。
(参考)
ガイアナ協同共和国は、総人口が80万人で、一人当たり国民総所得が965ドル(2003年)(世銀ランク)である。