平成18年7月12日
(1)ガンビア共和国政府は、1996年に長期開発計画「Vision2020」を策定するとともに、2002年には「貧困削減戦略ペ-パ-」を策定し、国民の生活水準向上のため地方における良質の飲料水の確保を重点政策として掲げている。同国政府により、各地に井戸等の地下水供給施設が建設され、井戸の運営管理に関する技術支援等も行われてきたが、全国給水率は約60%、地方においては約53%に留まっていると言われ、国民の約3分の1程度が不衛生な飲料水の使用を余儀なくされている。
(2)このような状況の下、同国政府は、29村落におけるソーラー揚水システムによる給水施設建設・改修及び関連機材調達を目的とした「第二次地方飲料水供給計画」を策定し、その実施に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)貧困地域である本計画対象4行管区29村落の住民約8万人(2015年予想人口)に安全な飲料水が安定的に供給され、対象地域における住民の水へのアクセスが大幅に改善(現状の1日1人当たり15~20リットルから1日1人当たり35リットルに増加)するとともに、地方人口70万人の給水率53%が64%に約11%上昇することが期待される。また、本計画の対象地域において、対象村落住民の衛生環境が改善し、水因性疾患の発症率が低下するとともに、就学前の児童や女性が水汲み労働から解放され、就学・就職の機会が増え、貧困からの脱却に資することが期待される。
(参考)
ガンビアは西アフリカ地域に位置し、総人口が150万人(2005年)で、一人当たりGDP(国内総生産)287米ドル(2004年)の低所得国である。