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パレスチナ自治区の「パレスチナ人児童の感染症対策及び栄養状態改善並びに新生児の院内感染予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成18年7月10日

  1. 我が国政府は、パレスチナ自治区における「パレスチナ人児童の感染症対策及び栄養状態改善並びに新生児の院内感染予防計画」(the project for Improving the Control of Infectious Diseases and the Nutritional Status of Palestinian Children and Preventing the Inner-hospital Infection of Newborn Babies)に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、3億7,400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月10日(月曜日)、エルサレムにおいて、我が方横田淳駐イスラエル国大使と先方ダン・ロールマン・ユニセフ・パレスチナ占領地域特別代表(Mr. Dan Rohrmann, Spacial Representative, UNICEF Occupied Palestinian Territory)との間で行われた。
  2. パレスチナ自治区では、従来よりイスラエル民生当局により感染症の予防接種が実施されてきたが、この政策は1993年のオスロ合意で発足したパレスチナ暫定自治政府にも引き継がれた。この間、我が国をはじめとする国際社会の協力等もあり、1960年代には約60%であった児童の予防接種率は、1997年度に95%にまで改善するとともに、妊産婦の予防接種率も30%に上昇した。しかしながら、2000年に発生したイスラエル軍との衝突以降、パレスチナ暫定自治政府の財政事情は悪化しており、必要かつ十分な予防接種の実施が困難になってきている。
     このような状況のもと、ユニセフ及びパレスチナ暫定自治政府は「パレスチナ人児童の感染症対策及び栄養状態改善並びに新生児の院内感染予防計画」を策定し、その実施に必要な基礎医薬品(ポリオ等のワクチン、ヨード等)及び関連機材の調達のための資金につき、我が国に無償資金協力を要請してきたものである。
  3. 我が国は、中東和平をめざす上でパレスチナ支援は不可欠であるとして、これまで人道状況の改善に貢献してきたが、本計画の実施により、約11万人の新生児及び乳幼児に対する予防接種の実施が可能となり栄養状態が改善されるとともに、啓蒙活動により母親や医療従事者の意識向上が図られ、計28の病院における感染予防対策の向上が期待される。

(参考)
 パレスチナ自治区は、ヨルダンに接する西岸地区及びエジプトに接するガザ地区からなる。第三次中東戦争の結果、1967年以降イスラエルにより占領されていたが、1993年のオスロ合意によりパレスチナ人による暫定自治が認められている。両地区を合わせた人口は約370万人(2003年)、1人当たりの国民所得は1,109ドル(2003年)である。

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