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シリアの「地方都市廃棄物処理機材整備計画(第1期)」に対する無償資金協力について

平成18年6月22日

  1. わが国政府は、シリア・アラブ共和国政府に対し、「地方都市廃棄物処理機材整備計画(第1期)」(the project for the Improvement of Equipment for Solid Waste Treatment in Local Cities)の実施に資することを目的として、総額5億8,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月22日(木曜日)、ダマスカスにおいて、わが方林梓駐シリア国大使と先方ヒラール・アル=アトラッシュ地方自治・環境大臣(H. E. Mr. Hilal AL-ATRASH, Minister of Local Administration and Environment)との間で行われた。
  2. シリアにおいては、人口増加率が年2~3%と高く、都市化の進展により廃棄物の発生量が毎年増加している。しかしながら、収集・運搬機材の不足により、廃棄物は市内に放置されたままとなっており、悪臭や病害虫の発生など環境衛生面で重大な問題となっている。本計画の対象地域であるホムス市、ラタキア市、他周辺3都市は、人口増加に対して収集能力が追いつかず、また、狭隘な道路が多いこと等から一般廃棄物の収集率は80%程度にとどまっている。さらに、医療廃棄物についても、専用収集機材の不足により、収集率はわずか25%にとどまっており、これを一般廃棄物として処分しているため、二次感染の危険性をともなっている。
     このような状況のもと、シリア政府は開発調査「地方廃棄物管理計画調査」を実施し、自己資金によりごみ収集車両の調達や最終処分場の改修を行い、対象地域における無秩序な廃棄物処分は改善されてきている。
     一方、シリア政府は、依然として不足している廃棄物処理機材整備のために本計画を策定し、その実施のために必要な資金につきわが国に無償資金協力を要請してきたものであり、このうち第1期では、ごみ収集用コンパクタ車65台の調達等を行うものである。
  3. この計画の実施により、2010年までに対象地域の一般廃棄物収集率が93%に改善されるとともに、医療廃棄物は専用収集により収集率100%が達成される。これにより、対象地域の住民190万人の衛生環境が改善されることが期待される。
  4. わが国はこれまでシリアに対し、シリアの国民生活の向上に資する小規模のODAを実施してきており、今次無償資金協力も、わが国によるシリアの国民生活向上に資する人道分野の支援の一環である。

(参考)
 シリア・アラブ共和国は、地中海東部に位置しトルコ、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノンと国境を接している。面積は18万5,000km2(日本の約半分)、人口は約1,900万人(2003年)で国民の約85パーセントがアラブ系である。一人当たり国民所得は約1,301ドル(2004年)の開発途上国である。

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