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モーリタニア・イスラム共和国政府に対する無償資金協力について

平成18年6月20日

  1. わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「ヌアクショット・ヌアディブ小中学校建設計画(第2期)」(Le projet de construction de salles de classe des enseignements fondamental et secondaire de base dans les villes de Nouakchott et Nouadhibou)の実施に資することを目的として、10億7,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月20日(火曜日)、モーリタニア共和国の首都ヌアクショットにおいて、わが方中島明駐モーリタニア国大使(セネガルにて兼轄)と先方モハメッド・ウルドゥ・アベッド経済開発大臣(Mohamed Ould Abed, Ministre des Affaires Economiques et du Developpement de la Republique Islamique de Mauritanie)との間で行われた。
  2. (1)モーリタニア政府は、2000年に国家開発計画「貧困削減戦略ペーパー(2000~2015年)」を策定し、貧困削減と経済発展の基礎となる人材育成を重要な政策課題として位置付けている。また、この計画に則って「教育セクター開発プログラム(2001年~2010年)」を策定し、小中学校における教員1 人当たりの生徒数の減少、中学校へのアクセスの拡大、中学校での理科教育の充実化を重要目標としている。

    (2)1975年以降、モーリタニア政府は、2000年に至るまでの教育計画を順次策定(第1次~第5次教育計画)し、特に基礎教育インフラ整備に重点を置いた取組を進めてきた。その結果、初等教育の就学率は1990年/1991年度の46.8%から1998/1999年度には85.5%、中等教育の就学率は同じく14.7%から20.4%と大幅に改善されたが、この就学率の向上は、年平均2.6%という高い人口増加率と相俟って小中学校の就学人口の急増をもたらした。特に、地方からの人口流入が著しい首都ヌアクショットと、第二の都市ヌアディブでは、教室建設が追いつかず、1教室当たりの生徒が全国平均の44人に対して70人以上となっている。また、理科教育を行うための特別教室も未整備である。

    (3)こうした状況の下、モーリタニア政府は、過密状況の緩和とアクセスの改善を図り、学習環境を改善することを目的とし、老朽化が著しい教室や仮設教室の立て替えに必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. なお、今回の協力は、昨年4月にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。

(参考)
 モーリタニアは西アフリカ地域に位置し、総人口が約280万人(2002年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が280米ドル(2002年)の低所得国(世銀ランク)である。

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