平成18年6月18日
- わが国政府は、イエメン共和国政府に対し「第二次小中学校建設計画(第1期)」(the project for Construction of School Facilities of Basic Education (Phase II))の実施に資することを目的として、総額6億6,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月18日(日曜日)、首都サヌアにおいて、わが方石井祐一駐イエメン国大使と先方アブドルカリーム・イスマイール・アルアルハビー計画国際協力大臣(H. E. Mr. Abdulkarim Ismail Al-Arhabi, Minister of Planning and International Cooperation)との間で行われた。
- イエメンは、中東で最も開発の遅れた国であり、教育分野においても慢性的な教室不足により、基礎教育就学率が72%と中東近隣諸国の中で最も低いレベルとなっている。また、男女間の格差も男子84%に対して女子59%と大きく、こうした格差の是正が急がれている。このような中、イエメン政府は長期計画「基礎教育開発戦略」を策定し、「万人のための教育」をスローガンに学校施設の改善や女子教育の向上をめざしている。
イエメンでは、厳しい財政状況から学校施設整備の大部分をドナー支援により実施しており、わが国も無償資金協力「第一次小中学校建設計画」を実施し、タイズ州とイッブ州において小中学校建設を行った。しかしながら、依然として教室不足は著しく、同国の高い人口増加率を考慮すると更なる学校施設の整備は喫緊の課題となっている。
このような状況のもと、イエメン政府は特に教室不足の著しいサヌア州およびサヌア市の計10校の整備を対象とした「第二次小中学校建設計画」を策定し、学校施設整備に必要な資金につき、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。このうち、第1期では5校の整備を行う。
- 本計画の実施により、サヌア州及びサヌア市の5校において47教室の整備が行われ、約2,750人の生徒を新たに収容することが可能となり、慢性的な教室不足の解消に資することが期待される。また、女子校の建設(対象5校のうち2 校)により、女子生徒の教育環境が改善され、男女間格差の是正に寄与することが期待される。
(参考)
イエメンはアラビア半島南端に位置し、北はサウジアラビア、東はオマーンと接し、アラビア半島唯一の後発開発途上国(一人あたりGDP:649ドル(2004年))で、面積は52.8万平方キロメートル(日本の1.5倍)人口2,100万人の国である。