平成18年4月17日
- わが国政府は、モンゴル国政府に対し、2億円の無償資金協力(食糧援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、4月17日(月曜日)、ウランバートルにおいて、わが方市橋康吉駐モンゴル国大使と先方ニャマー・エンフボルド外務大臣(H.E. Mr. Nyamaa ENKHBOLD, Minister for Foreign Affairs)との間で行われた。わが国は、本年3月末のエンフボルド首相訪日時に、モンゴルの食糧不足解消に向けての支援を重視していることを表明したところであるが、今回の食糧援助も、そうした取り組みの一環として実施されるものである。
- モンゴルは、かつては年間約60万トンを生産する小麦の輸出国であったが、1991年の市場経済移行後、国営農場の民営化が急速に行われたため、農場、農機、技術者等の生産体制が崩れてしまった。このため、小麦の生産面積は社会主義時代と比較して、7分の1程度にまで大きく減少し、さらに、2000~2003年の雪害、2004年夏の干ばつ被害により、小麦の自給率は30%前後にとどまっている。
- モンゴル政府は、生産技術導入や農機の更新を重視する食糧農業政策を策定し、良質の種子開発や農機部品の供給を行ってきている。わが国も、1992年以降、食糧増産援助(貧困農民支援)により農業機械を提供し、食糧生産向上に向けての自助努力を支援しているが、自給体制が整うまでには、今後、さらなる努力と時間を要すると思われる。このような状況の中、モンゴル政府は小麦の購入に必要な資金として、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。わが国としては、中国とロシアに挟まれたモンゴルが民主主義国家として成長することは、北東アジア地域の平和と安定に資するものであるとの認識のもと、同国政府からの要請を踏まえ、今般、食糧援助を実施することとしたものである。
- 今回の食糧援助によりモンゴルの食糧供給の安定に貢献することが望まれる。
(参考)
モンゴルは、北東アジアに位置し、国土面積は156万4,100平方キロ(日本の約4倍)、総人口約248万人、一人当たりGNI(国民総所得)が477ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。