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ハイチに対する食糧援助について

平成18年4月13日

  1. わが国政府は、ハイチ共和国に対し、3億6,000万円の食糧援助を行うこととし、このための書簡の交換が4月12日(水曜日)(日本時間4月13日(木曜日))、ハイチの首都ポルトープランスにおいて、わが方中川幸子在ハイチ国臨時代理大使と先方ヘラルド・アブラハム外務・宗務大臣(Son Excellence Monsieur Herard ABRAHAM, Ministre des Affaires Etrangeres et des Cultes)との間で行われた。
  2. (1)中米における最貧国であるハイチは、1991年の軍事クーデター以降、政府が民主化を求める野党・市民グループと対峙し、ゼネスト等の政治的混乱が継続した。2003年12月以降、反政府勢力が中北部を占拠するに至り、2004年2月には大統領の国外脱出、3月には暫定政府の発足という事態に発展した。国際社会は民主化と安定に向けた同国の努力を支援するために、国連ハイチ安定化ミッションを派遣するなど協力を進めており、同国では、本年2月に行われた大統領選により、新大統領が選出されるなど、民主化と安定に向けた重要な一歩を踏み出している。

    (2)2004年5月末には、同国南東部で発生した洪水により甚大な作物の被害が発生し、また、北西部地域では深刻な旱魃が発生した。さらに、同年9月にはハリケーン「ジーン」による被害により2000人以上が死亡し、30万人以上の被災者が発生した。このハリケーンにより北西部だけでも、農地、灌漑施設、家畜など、推定2000万ドル以上の被害が発生した。更に、2005年7月にもハリケーン「デニス」等の天災により各地で水害が発生しており、農産物や農業インフラにさらなる被害が生じている。
     以上のような政情不安、旱魃、洪水、ハリケーンの多重的困難により、国民の半数が食糧不足に困窮している同国の状況を踏まえ、同国政府は食糧不足の改善に必要な米を購入するための資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  3. 今回の食糧援助の実施によって、ハイチの食糧不足が緩和され、安定に向けての一助となることが期待される。

(参考)
 ハイチはカリブ地域に位置し、総人口が840万人(2004年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が390米ドル(2004年)である。

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