
アフガニスタンに対する無償資金協力(セクター・プログラム無償資金協力)について
平成18年3月20日
- わが国政府は、アフガニスタンに対し、26億円の無償資金協力(セクター・プログラム無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月18日(土曜日)、カブールにおいて、わが方奥田紀宏駐アフガニスタン国大使と先方マフムード・サイカル外務副大臣(Mr. Mahmoud Saikal, Deputy Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- アフガニスタンは、20年以上にわたる内戦により破壊された国家基盤を再構築すべく、基礎的な国家体制の再建、基本的な政府サービスの提供、経済の安定化等を通じた危機管理に力を注いできている。2004年からは、治安向上、民間セクター主導による成長の促進、麻薬経済の除去、政府機構の更なる強化等を通じた、経済的に自立可能な国家建設を目的とした長期的戦略の実施を開始し、昨年には貧困削減戦略文書(PRSP)を策定した。アフガニスタンは、同文書をアフガニスタン国家開発戦略(ANDS)と位置付け、本年1月末にロンドンで開催されたアフガニスタン支援に関する国際会合において、今後5年間の開発計画を内容とする暫定版ANDSを国際社会に提示するなど、各ドナーと連携・協調しつつ、経済構造改善努力を進めている。今後、同国においては、本格的な経済構造改善努力が開始されていく見通しである。しかしながら、基幹産業である農業の不調と流通システムの欠如は続いており、経済情勢は引き続き困難な状況である。
- わが国は、2002年1月にアフガニスタン復興支援国際会議(東京会議)を主催するなど、アフガニスタンの国造りに主導的役割を果たしている。政治プロセス、治安改善、復興のすべてに亘る分野において支援を実施し、2001年9月から昨年11月までの間に総額約10億ドルの支援を行った。さらにわが国は、1月末のロンドン国際会議において、ANDSの成功を支援するため、今後4億5、000万ドルの支援を行うことを表明した。
- 今回のセクター・プログラム無償資金協力は、ANDSの目標の一つである予算の有効活用と支出管理に向けた取り組みを効果的に支援するため実施するものであり、この資金は同国における経済構造改善に必要な商品の輸入代金支払いのために使用される。また、見返り資金は元兵士や帰還民の再統合にかかるプロジェクトにおいて集中的に使用される。