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カンボジアの「地雷除去活動支援機材開発研究計画」に対する無償資金協力について

平成18年3月17日

  1. わが国政府は、カンボジア王国に対し、「地雷除去活動支援機材開発研究計画」(the project for Research and Development of Mine Clearance Related Equipment)の実施に資することを目的として、総額4億1,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月17日(金曜日)、プノンペンにおいて、わが方高橋文明駐カンボジア国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(H.E.Mr.HOR Namhong,Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)の間で行われた。
  2. カンボジアでは、20年以上に及ぶ内戦時に埋設された地雷・不発弾が住民の安全な生活や地域経済の発展を妨げている。これらの地雷・不発弾は現在も約600万個残っていると推定されており、年間約900人が被害を受けている。

     カンボジアにおける地雷除去活動は、主に手作業により行われているが、右作業による地雷除去活動は、人間が立ち入りにくい地雷原での作業が困難であることや安全性の観点等から、一定の限界がある。そのため、カンボジア政府は、地雷除去活動の効率性や安全性等を向上させるべく、地雷除去活動の機械化を模索している。

     一方、わが国では、地雷除去活動の効率性や安全性の向上を目的として、地雷除去機や地雷探知器の開発・研究が進められてきており、政府もこれを支援してきているが、カンボジア政府は、わが国で進められているこれら機材の開発・研究に以前から注目してきた。

     しかし一般的に、地雷除去機や地雷探知器等の機材は、土壌・気候等の自然条件や、地雷原の状態への適合性を綿密に検討しなければ、実用化することは困難であると言われている。カンボジアにおいてこれらのわが国の機材を現実に活用するためには、これら機材を現地に輸送し、多角的な実用化試験を行うことが不可欠である。

     このような状況の下、カンボジア政府は、わが国の地雷除去機や地雷探知器をカンボジアへ輸送し、実用化試験を行うことを目的として、「地雷除去活動支援機材開発研究計画」を策定し、右試験に関し、わが国政府に対し、無償資金協力を要請をしてきたものである。

  3. 本計画の実施によるカンボジアの環境に適合した地雷除去機や地雷探知機の開発を通じて、カンボジアにおける地雷除去活動の効率性・安全性が向上することが期待される。

(参考)
カンボジア王国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、人口1,450万人、国民一人あたりのGNI(国民総所得)は321ドルである。

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