平成18年3月16日
- わが国政府は、ウクライナ政府に対し、3億円の無償資金協力(ノン・プロジェクト無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月16日(木)、ウクライナ共和国の首都キエフにおいて、わが方馬淵睦夫駐ウクライナ国大使と先方アルセニイ ヤツェニューク ウクライナ経済大臣(Mr. Arseniy YATSENYUK, Minister of Economy of Ukraine)との間で行われた。
- ウクライナは、1991年のソ連邦からの独立以降、市場経済化への移行による混乱から経済のマイナス成長が続いていたが、2000年以降、対前年比のGDPがようやくプラスに転じた。経済改革を通した市場の安定化、通貨フリヴニャ安による鉄鋼などの輸出増、消費財を中心とする国内需要の増加、隣国ロシアの好景気を背景に経済成長が続いており、04年のGDP成長率は欧州でも最高水準の対前年比+12.1%を記録した。
しかしながら、05年は設備投資の低下と輸出の減少により成長が鈍化し、GDP成長率は2.5%程度に留まる見込みである。
また、同国は燃料エネルギーの多くを外国に依存しており、特にロシアとの天然ガス供給・価格に関する交渉では合意に至らず一時ガスの供給が停止される事態に陥った。
このように、ウクライナの経済成長には様々な脆弱性を伴っており、一貫した経済・社会政策、闇経済の撲滅やエネルギー供給源の多様化等、安定した経済を実現させるためにウクライナ政府が解決すべき課題は多い。
- 今回のノンプロジェクト無償資金協力は、こうした課題に対する構造調整に取り組んでいるウクライナ政府を支援するもので、この計画の一層の推進に必要な商品を購入する代金の支払いのために使用される。
(参考)
ウクライナは、東欧に位置し、ロシアおよびポーランド等と国境を接し、人口は約4,801万万人、一人当たりGNI(国民所得)は約1,260米ドル(2004年)の国である。