平成18年3月10日
- わが国政府は、ラオス人民民主共和国政府に対し、セクター・プログラム無償資金協力として、11億円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月10日(金曜日)、ビエンチャンにおいて、わが方桂誠駐ラオス国大使と先方ソムサワート・レンサワット副首相兼外務大臣(H.E.Mr. Somsavat LENGSAVAD, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- ラオスは内陸国という地理条件から、国内総生産(GDP)の5割弱、就労人口の8割を農林業に依存しており、経済は自然条件に左右されやすく不安定である。また、国営企業、国営商業銀行の不合理な経営状態が国家財政にも大きな負担となっていた。このため同国では、1986年に経済開放化政策(新経済メカニズム)を導入し、1989年以来、世銀、国際通貨基金(IMF)指導のもとで経済構造調整計画の推進に積極的に取り組んでおり、その一環として「貿易・流通の自由化」、「公企業の独立採算制の導入および民営化」、「民営部門の活動推進」、「銀行改編」、「自由競争に基づいた物価体系の構築」等、民間部門に重点をおいた改革を進めてきている。しかし、1997年7月に始まった経済危機の影響等により、ラオス通貨が大幅に下落した。以後、緊縮財政を採ると同時に経済改革を一層進めることにより、経済は徐々に回復し、ここ数年においてはGDP成長率が5%を超え、ラオスに対する海外直接投資額も着実に増加している。
- 今回のセクター・プログラム無償資金協力は、貧困削減を含むラオスの経済構造改革に向けた取り組みを支援するために実施するもので、この資金は同国における経済構造改善に必要な商品の輸入代金支払いのために使用される。また、見返り資金はラオス政府が開発の重点分野として定めている農業、教育、保健、地方インフラ、社会分野にかかるプロジェクトに対して集中的に活用される。
(参考)
ラオス人民民主共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、人口560.9万人(2005年3月)、国民一人あたりGDPは402ドル(2004年)である。