国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

アルメニアに対する無償資金協力(貧困農民支援)について

平成18年3月9日

  1. わが国政府は、アルメニア共和国政府に対し、「貧困農民支援」として1億1千万円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月9日(木曜日)、エレバン市において、わが方三森重弘在アルメニア大使館参事官(ロシアにて兼任)と先方ダヴィット ロキャン・アルメニア共和国農業大臣(Mr. Davit Lokyan, Minister of Agriculture of Republic of Armenia)との間で行われた。

  2. アルメニアは、旧ソ連崩壊後、1988年の北部の大地震、アゼルバイジャンとの国境紛争等により、経済は低迷したものの、近年は政情の安定と市場経済化の進展により、改善を見せている。GDPの22%を占める農業は、山地に囲まれ耕地が少ないこと、効率が悪く収穫ロスの多い旧式の農機を使用していることや肥料不足もあり、小麦、ジャガイモなどの主要食用作物の多くは輸入に依存しており、農業生産性の向上が必要となっている。
     わが国は、1996年度より計7回にわたって旧「食糧増産援助」から農業機械を供与し、肥料7.2万トン、各種トラクター等265台を供与した。こうした支援に基づいた同国の努力もあり、1997年には25万トンであった同国の穀物収穫量が、2002年には41万トンに増加した。日本からの援助肥料を使用した農地は、施肥のない場合に比べて3割生産性が向上している。また、援助した農機は、既存の農機と比べ、従来の平均15%の収穫ロスを削減し、燃料費の節約、年平均2%の農地拡大に貢献している。
     アルメニア政府は「安定的農業開発戦略」を策定し、農民の貧困削減、農業機械の近代化、未使用耕作地の活用を通じて、農業分野における4-5%の成長を目指している。

  3. このような状況の下、アルメニア政府は穀物、特に貧困農民の間で広く耕作されている小麦およびジャガイモの食糧増産のために必要な農業機材の調達につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。今般の無償資金協力の実施により、アルメニアにおける食糧生産がさらに向上し、飢えをなくすための農業開発に寄与することが期待される。

(参考)
 アルメニアはコーカサス地域に位置し、アゼルバイジャン、グルジア、トルコおよびイランと国境を接している。また、国民一人あたりGNI(国民総所得)は790ドル(2002年)である。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る