平成18年3月8日
- わが国政府は、ボリビア共和国に対する「貧困農民支援」として、2億5,000万円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月7日(火曜日)11時(日本時間3月8日(水曜日)午前0時)、ボリビアのラパス市において、わが方駐ボリビア国大使と先方ダビッド・チョケワンカ外務・宗務大臣(H. E. Mr. David Choquehuanca, Minister of Foreign Affairs and Worship of the Republic of Bolivia)との間で行われた。
- ボリビアの国土は、標高が高い山岳地帯が多いことに加え、内陸国であることから他の南米諸国に比べ、経済開発が遅れている。わが国は、1977年度以降、食糧増産援助(2KR)をほぼ連続して実施し、90年と比較して同国の食糧生産性は約5割向上した。他方、耕地が狭く肥沃度が低いこと、未だに肥料投入量が不足していること、伝統的農法に依存している地域が多い等の要因により、主食であるジャガイモ、トウモロコシ、米、小麦の自給が出来ていない。特に小麦の生産量は同国の消費量の2割と非常に低く、こうした課題に対応するため、ボリビア政府は、食糧増産と農業の近代化を進める農村開発を重視しており、これまでも、わが国は2KRによる支援を通じて、質の良い肥料を供給し、同国の食糧生産性の向上に貢献してきた。
- 今回の支援では、ボリビア政府が、中小農家を対象に調達した肥料を市場価格より1割安く販売するとともに、肥料普及の指導を行う計画である。また、同国では、これまでの支援により、積み立てられた見返り資金を同国の農道、灌漑水路等の整備に活用しており、貧困先住民の多い地区を対象にした一般プロジェクト無償資金協力や草の根・人間の安全保障無償資金協力等の有機的な連携を図ることで、農民の生産性向上を促進する分野横断的な取り組みを積極的に実施している。
- 今回の援助により、ボリビアの食糧生産性の向上が図られ、食糧自給率の改善に貢献することも期待される。
(参考)
ボリビアは、中南米に位置し、総人口が871万人(2002年)で、一人当たりGNI(国内総所得)は960米ドル(2004年)である。