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東ティモール民主共和国の「母子保健改善計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成18年3月7日

  1. わが国政府は、東ティモール民主共和国における「母子保健改善計画」(The Project for Improving Maternal and Child Health Care in the Democratic Republic of Timor-Leste)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際児童基金)に対し、2億400万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月7日(火曜日)、ディリにおいて、わが方清水健司駐東ティモール国大使と先方ワティニー・ジッジャトゥルーンユニセフ東ティモール事務所所長代行(Ms. Vathinee Jithaturunt, Officer in Charge, United Nations Children's Fund, Democratic Republic of Timor-Leste)との間で行われた。

  2. 東ティモールでは1999年8月30日のインドネシアによる拡大自治提案受け入れの可否を問う直接投票の結果を不満とする勢力による破壊・暴力行為によって、大部分のインフラが破壊され、それまで国家の中枢を占めていた指導者層、技術者層が海外に流出し、深刻な人材不足に見舞われた。医療分野においても大部分の施設が破壊され、医師等が流出した結果、医療機関の機能が麻痺した。
     2002年5月に独立した東ティモール政府は国家開発計画に従い医療・保健分野を重点分野として国家運営を行っているが、同国は人材不足が著しいため、ユニセフとも協力し、国際社会の支援を受けつつ、自立を図る計画である。また、ユニセフもWHO(世界保健機関)や他の支援国とともに、保健省を支援することとしている。
     このような状況の下、東ティモール政府およびユニセフは、全ての医療機関において初期小児疾病および出産前後への対応、訪問看護を実施するための機材や基礎医薬品、ワクチンを配備するとともに、保健衛生・健康促進のキャンペーンの実施による子どもや妊産婦が安心して暮らせる環境の創造を目的とした「母子保健改善計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、1歳未満児に最小限必要なワクチンが接種されるとともに、全ての中小医療機関で乳幼児・妊産婦を対象とする基礎的な保健医療サービスを提供することができる。これにより、乳幼児死亡率および妊産婦・新生児死亡率が低下するとともに、保健衛生・健康促進啓発活動により子どもや妊産婦が安心して暮らせる環境が創造されることが期待される。

    (参考)
     東ティモールは、面積約1万5,000平方キロ(岩手県程度)、人口約92.5万人(2004年)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)約388米ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。

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