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モルドバに対する無償資金協力(セクター・プログラム無償資金協力)について

平成18年3月3日

  1. わが国政府は、モルドバ共和国政府に対し、4億円の無償資金協力(セクタープログラム無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月3日(金曜日)、モルドバの首都キシニョフにおいて、わが方馬淵睦夫駐モルドバ国大使(ウクライナにて兼轄)と先方ヴァレリウ ラザル モルドバ共和国経済貿易大臣(Mr. Valeriu LAZAR,Minister of Economy of the Republic of Moldova)との間で行われた。

  2. 1991年のソ連邦からの独立以降、モルドバはCIS(独立国家共同体)諸国の中で最も深刻な経済低下を経験した国の1つである。ソ連時代からの伝統的な取引・支払い関係の崩壊により国営企業は機能を停止し、他方で価格が国際水準に上昇したことにより国民経済は破綻した。加えてスラブ系及びウクライナ系住民の多い沿ドニエストル地域が分離独立を主張し武力衝突に至ったことも経済危機からの復興にとって大きなマイナス要因となった。このため、2000年まで、GDP成長率は年平均で10%であり、生活水準の低下と貧困層の増加が問題となった。また、ロシアに多くを依存しているモルドバの経済は、1998年のロシア経済危機の影響を大きく受け、対外債務が増大した結果、財政状況も悪化し、経済の安定化にとっての足かせとなっている。
     モルドバ政府は、貧困削減、ミレニアム開発目標の達成に向けて努力しており、2004年から2006年の中期的な戦略である経済成長・貧困削減ペーパー(EGPRSP)を策定しており、2004年12月には同国議会によって承認されている。同ペーパーでは、持続可能かつ包括的な経済成長、貧困と不平等の削減、経済発展への貧困層の参加拡大、人間開発に重点が置かれており、貧困層に好条件を与える持続した長期的経済発展の実現のため、マクロ経済安定の維持や農村経済の改善等の構造改革に取り組んでいる。

  3. 今回のセンター・プログラム無償資金協力は、このような構造改革の実施に取り組んでいるモルドバを支援するもので、EGPRSPの一層の推進に必要な商品を購入する代金の支払いのために使用される。

(参考)
 モルドバ共和国は、中・東欧に位置し、ウクライナ及びルーマニアと国境を接し、人口は約420万人、一人当たりGNI(国民所得)は中東欧諸国で最も低い約710米ドルの国である。

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