わが国政府は、国際連合食糧農業機関(FAO)を通じ、ウガンダ共和国におけるネリカ米普及・生産促進事業に1億4,700万円(約137万ドル)の貧困農民支援を実施することとし、このための書簡の交換が、2月28日(火曜日)ローマにおいて、わが方中村雄二駐イタリア国大使と先方デヴィッド・ハチャリックFAO事務次長(Mr. David HARCHARIK, Deputy Director General)との間で行われた。
わが国は、高収量のアジア稲と病気や雑草に強いアフリカ稲を交配することにより開発されたネリカ米(New Rice for Africa)の普及に向けた協力をアフリカ諸国で行ってきている。アフリカの稲作は、貧しい農民により営まれる粗放的な農業であり、灌漑整備や肥料の多投なく収量の増加が可能なネリカ米の普及は、食糧不足の緩和と、農民の所得向上を通じた農村の貧困削減に寄与するものとして期待されている。わが国は、ネリカ米の普及をアフリカ開発会議(TICAD II、III)の具体的な支援策の一つとして表明し、2005年にはアジア・アフリカ首脳会議、G8グレンイーグルズ・サミットにおいてわが国の対アフリカ開発支援策として紹介した。これまでに西アフリカ稲開発協会(WARDA)に対するネリカ米の研究開発支援や、国際協力機構(JICA)専門家の派遣を通じたネリカ米の栽培試験等の協力を中心に支援を実施している。