平成18年2月27日
- わが国政府は、インドネシア共和国政府に対する「貧困農民支援」として、3億8,000万円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月27日(月曜日)、ジャカルタにおいて、わが方飯村豊駐インドネシア国大使と先方イムロン・コタン外務省次官(Mr. Imron Cotan, Secretary General, Department of Foreign Affairs)との間で行われた。
- インドネシアでは地方住民の8割にあたる約4千万人が農業に従事しており、このうち、半数が耕作面積が0.25ヘクタール以下の貧困農民である。主食であるコメの生産は1998年のアジア経済危機の後不安定となり、貧困層の格差も拡大した。このため、インドネシア政府は、農業開発計画(2004年から2009年)を策定し、食糧安全保障の強化や農民生活の改善を図る努力を行っている。
このような状況の下、インドネシア政府は、コメの生産を促進するため、貧困農民支援による支援として肥料を調達するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。インドネシアの肥料の配布方法としては、南東スラウェシ州など貧困レベルの高い地域を対象に廉価で販売する計画である。
本件無償資金協力の実施により、インドネシアの小規模農家の食糧生産の増加が図られ、同国の食糧自給率向上にも貢献することが期待される。
- わが国は、世界における食糧不足と飢えの解消に積極的な貢献を目指す上で、食糧の自給に向けた開発途上国の自助努力を今まで以上に効果的に支援していくことが不可欠であるとの認識から、平成17年度より、従来までの「食糧増産援助」を「貧困農民支援」に名称を変更することで、裨益対象を貧困農民・小規模農民とすることを一層明確化しつつ、食糧生産の向上に向けた途上国の自助努力を支援していくこととした。「飢え」をなくすための農業活動を支援する観点から貧困農民・小規模農民への支援を強化し、食糧生産の向上に向けての開発途上国の自助努力を支援する中で、可能な限り貧困農民・小規模農民が援助の裨益者となるよう配慮と工夫を行うこととしたものである。
(参考)
インドネシアは、面積約190万5,000平方キロ、人口2億2,260万人(2004年)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)約971米ドル(2003年)である。