平成18年2月10日
- わが国政府は、ラオス人民民主共和国に対し、「ビエンチャン市上水道施設拡張計画(詳細設計)」(the Project for Vientiane Water Supply Development)の実施に資することを目的として、総額4,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が2月10日(金曜日)、ビエンチャンにおいて、わが方桂誠駐ラオス国大使と先方ソムサワート・レンサワット副首相兼外務大臣(H.E.Mr.Somsavat Lengsavad,Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)の間で行われた。
- ラオスの国家開発計画では上下水道等の社会インフラ整備に重点が置かれている。また1999年9月発令の首相令「水道セクターの管理と開発に関する首相決定(No.37)では、都市部給水率を2020年までに80%まで引き上げる目標を掲げており、首都であるビエンチャン市が最優先順位に位置づけられているものの、財政的制約から開発目標通りには進んでいない。
ビエンチャン市では人口増、生活水準の向上、工場および住宅地域の拡大等に伴って水の需要が増加していることから、既設2浄水場は処理能力を超える過負荷運転を余儀なくされており、機器等に支障が出ている。また既設浄水場は改修工事後20年以上を経過しており、構造物・機械・電気系統の機能低下が著しい。更に送・配水系統が明確に分離されていない、配水池の容量が不足している等の問題を抱えている。
このようなビエンチャン市における現状の水不足および既存浄水・送・配水システム問題を解決するため、浄水場能力の拡張、老朽化した既存浄水場・増圧ポンプ場の改修、更にこれらのシステム整備によって必要となる送・配水管の敷設を行うことによって、生活に十分な量の水を安定して供給できるようにすることを目的として、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 本件計画実施により、ビエンチャン市における給水状況が改善され、また配水池の新設、送・配水管分離及び増圧ポンプ場の改修により、安定給水が確保されることが期待される。
(参考)
ラオス人民民主共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、人口560.9万人(2005年3月)、国民一人あたりのGDP(国内総生産)は339ドル(2003年)である。