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レソト王国に対する無償資金協力(ノン・プロジェクト無償資金協力)について

平成18年1月27日

  1. わが国政府は、レソト王国政府に対し2億円の無償資金協力(ノン・プロジェクト無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が1月27日(金曜日)、レソト王国の首都マセルにて、わが方重家俊範駐レソト王国大使(在南アフリカ大使館常駐)と先方モンヤネ・モレレキ外務大臣(Honourable Monyane Moleleki, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。レソト王国は、周囲を南アフリカ共和国に囲まれた内陸国で、国土の大部分が標高1500メートル以上の険しい山間地帯に位置する山岳国である。1966年の独立後も王制を維持し、政体は立憲君主制を採用している。1990年代以降、国王と議会の対立により政情は一時不安定化したが、2002年のやり直し総選挙(わが国は選挙監視に参加)の成功により安定を回復している。

  2. レソト王国の主産業は建設業、農業、製造業であり、特に建設業の発展に大きな影響を与えているのが河川開発(レソト・ハイランドウォータープロジェクト)である。同国は水や水力発電による電力を南アフリカ共和国に販売する新たな産業を生み出している。農業は、就業人口の約半分を占めているが、耕作可能な土地は国土の約1割程度であり、小規模経営の低生産性農業に留まっている。産業については、米国によるアフリカ成長機会法(AGOA)の恩恵を受け、繊維産業が成長している。しかし、繊維産業以外にこれといった産業がなく、経済は南アフリカ共和国に大きく依存しており、レソトから南アフリカ共和国への鉱業出稼ぎ労働者も多い。近年は、電力、通信及び建設分野の産業育成に力を注いでおり、2001年には通信会社、2004年後半には電力会社の民営化を実施し、民間部門の振興を中心とした構造改革努力を行っている。また昨年は、2001年に発表された長期国家目標である「ビジョン2020」を達成するための中期戦略として貧困削減文書(PRSP)を発表し、雇用創出、農業生産の改善・食糧の安全保障を始めとした諸課題に対する改善努力を続けている。

  3. 今回のノン・プロジェクト無償資金協力は、貧困削減等の経済構造改善計画の実施に取り組んでいるレソト王国を支援するもので、この計画の一層の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。

  4. なお、今回の協力は、2005年4月にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。

(参考)
レソトは、総人口が180万人(2004年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が740ドル(2004年)の低所得国(世銀ランク)である。

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