平成18年1月11日
- わが国政府は、コンゴ民主共和国に対し、3億8,000万円を限度とする額の無償資金協力(食糧援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、1月11日(水曜日)、首都キンシャサにおいて、わが方柳谷俊範駐コンゴ民主共和国大使と先方レイモンド・ラマザニ・バヤ外務・国際協力大臣(Son Excellence Raymond RAMAZANI BAYA, Ministre des Affaires Etrangeres et de la Cooperation Internationale de la Republique Democratique du Congo)との間で行われた。
- コンゴ民主共和国は、アフリカ第3位、日本の約6倍に相当する広大な国土を有し、コバルト、銅を産出する世界で有数の鉱物資源国である。また同国は9ヶ国もの国と国境を接しており、同国の安定はアフリカ地域全体の安定にとって極めて重要な位置にあることから、わが国はこれまで「平和の定着」を通じた支援を実施してきている。
同国は、モブツ大統領体制下の旧ザイールから、民主的な新しいアフリカに向かう象徴として期待が高まったものの、2002年の和平合意に至るまで周辺国を巻き込む地域紛争に発展した。2006年6月までに大統領・国民議会選挙を実施し、紛争を脱却して、民主政権へと移行することを目指している。同国の人口は5,000万人を超え、ナイジェリアに次ぐアフリカの大国であるが、一人当たりGNI100ドル、国民の8割以上が1日1ドル以下で生活をしている最貧国であり、国内避難民やその他の貧困層、社会的弱者の間で慢性的な食糧不足が発生している。
- コンゴ民主共和国政府は、農業分野の発展を最重要課題の一つと位置づけ、FAOや世銀等の支援を受けつつ、食糧生産に努めているが、食糧不足を克服するため、更なる支援を必要としている。このような状況の下、同国政府は食糧不足を解消するための米の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。わが国としては、食糧不足の緩和を通じて脆弱な移行期にある同国の安定を後押しすることが、アフリカ全体の平和と繁栄にとっても重要であるとの認識の下、同国政府からの要請を踏まえ、今般、食糧援助を実施することとしたものである。
- なお、今回の協力は、昨年4月にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。
(参考)
コンゴ民主共和国は、中部アフリカ地域に位置する国で、総人口が5,380万人(2004年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が100ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。