平成17年12月28日
- わが国政府は、マリ共和国政府に対する「貧困農民支援」として、4億1,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月28日(水曜日)、セネガル共和国のダカールにおいて、わが方中島明駐マリ国大使(セネガルにて兼任)と先方ンジ・ライコ・トラオレ駐セネガル・マリ共和国大使(N'Tji Laico TRAORE , Ambassadeur de la Republique du Mali au Senegal)との間で行われた。
- マリでは、農業部門は国内総生産の約4割を占める重要部門であり、国民の約8割が農業に従事しているが、降雨量に左右される生産方法が主体であることや、農業資機材の投入ができないために、穀物自給率は8割に留まっていた。このような中、2004年~2005年の穀物生産は、干ばつと砂漠バッタ被害のため、35万人の食糧が不足する食糧危機が発生した。これらの対策の一環として、マリ政府はニジェール川沿岸を中心とした農業地帯において米およびトウモロコシの生産性を向上させ、また国内の食糧需給格差の緩和と貧困対策のために、肥料を購入するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- わが国は、世界における食糧不足と飢えの解消に積極的な貢献を目指す上で、食糧の自給に向けた開発途上国の自助努力を今まで以上に効果的に支援して行くことが不可欠であるとの認識から、平成17年度より、従来までの「食糧増産援助」を「貧困農民支援」に名称を変更することで、裨益対象を貧困農民・小規模農民とすることを一層明確化しつつ、食糧生産の向上に向けた途上国の自助努力を支援して行くこととした。「飢え」をなくすための農業活動を支援する観点から貧困農民・小規模農民への支援を強化し、食糧生産の向上に向けての開発途上国の自助努力を支援する中で、可能な限り貧困農民・小規模農民が援助の被益者となるよう配慮と工夫を行うこととしたものである。
- なお、今回の協力は、本年4月にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。
(参考)
マリは西アフリカ地域に位置する内陸国で、サハラ砂漠に隣接している。総人口が1,340万人で、一人当たり国民総所得が360ドルである。