平成17年11月22日
- わが国政府は、シエラレオネ共和国における「小児感染症予防計画」(the Project for Infectious Disease Prevention for Children)の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、3.1億円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月22日(火曜日)、フリータウンにおいて、わが方石川正紀駐ガーナ国大使と先方ゲールト・カッペラエレ・ユニセフ・シエラレオネ代表(Mr. Geert Cappelaere, Representative of the UNICEF Office in Sierra Leone)との間で行われた。
- シエラレオネは、2002年に長期にわたる内戦に終止符を打ち安定を取り戻しつつあるものの、いまだ低迷する経済状況の影響のため、政府は十分な医療サービスを提供することが困難な状況である。このため、保健衛生指標は最悪であり、乳児死亡率1000人当たり165人、5歳未満児死亡率1000人当たり284人と世界で最も高い。主な死亡原因は、マラリア、急性呼吸器疾患、下痢、はしか等の感染症である。
このような状況を改善するため、シエラレオネ政府とユニセフは子どもたちの死亡率の低下等を優先して実現していく計画を立てており、マラリアや急性呼吸器疾患等の感染症による子どもたちの死亡を防ぐため、蚊帳や治療薬の供与、予防接種の拡大を実施している。しかしながら、上記計画を実施するために必要な蚊帳、マラリア及び急性呼吸器疾患の治療薬、予防接種用ワクチンが不足していることから、これらの調達に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、3地域(ボンバリ、コイナドゥグ、コノ)においてマラリア及び急性呼吸器疾患対策が行われ、子どもたちと妊婦あわせて約30万人の健康状態が改善することが期待される。また、予防接種用ワクチンの供与により、全国で約30万人の1歳未満児と妊婦の予防接種が可能となり、予防接種の接種率が向上することにより、予防可能な感染症で死亡している乳幼児の死亡率低下に資する。
- なお、今回の協力は、世界からポリオを撲滅するためわが国が表明した約8,000万ドルの支援の一環として供与するものであり、かつ、アフリカにおけるマラリア対策のためにわが国が表明した1,000万帳の蚊帳の供与の一環として実施するものである。また、本年4月にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。
(参考)
シエラレオネは、総人口が500万人(2003年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が150ドル(2003年)である。