平成17年11月11日
- わが国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府の「ポリオ撲滅計画」の実施に資することを目的として、国際連合児童基金(ユニセフ)に対し7億2,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月10日(木曜日)、イスラマバードにおいて、わが方田中信明駐パキスタン国大使と先方オマール・アフメド・アブディ・ユニセフパキスタン事務所長(Mr.Omar Ahmed Abdi,Respresentatibe, United Nations Children's Fund for Pakistan)との間で行われた。
- パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与(NID:National Immunization Days)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできている。この結果、ポリオの報告例は1993年の1,803件から2004年の53件へと年々減少してきているが、依然としてその数は世界的に見ても多い。このため、ユニセフは、ポリオ撲滅の早期実現に向け一層積極的な取り組みが重要であるとして、今後、更にNIDを強化することを指導している。しかしながら、パキスタンの財政事情が依然厳しいため、自国だけでNID実施に必要となる多量のワクチンを確保することが困難となっている。
このような状況の下、同国政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチンの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 今回の協力により、10月8日に発生したパキスタン等大地震の被災地を含むパキスタン全土の5歳以下の乳幼児約3,400万人に対するワクチン投与が可能となる。
(参考)
パキスタン・イスラム共和国は、南西アジアに位置し、人口1億4,800万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は約652ドルである。