平成17年9月29日
- わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「モンドルキリ州小水力地方電化計画(詳細設計)」(the Project for the Rural Electrification on Micro-Hydropower in Remote Province of Mondul Kiri)の実施に資することを目的として4千百万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、9月29日(木曜日)、プノンペンにおいて、わが方高橋文明駐カンボジア王国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。
- ベトナム国境山間部に位置するモンドルキリ州の州都センモノロム市では、公共の電力供給が無く、小規模な民間業者がディーゼル発電によって朝夕などの食事時間帯にのみ数時間ずつ電力供給を行っている。このため、住民は慢性的な電力不足に悩まされている。また、電気料金はkWh当り48~62円相当とプノンペンの約4倍であり、低所得層では支払い不可能な水準である。
このような背景の下、カンボジア政府は同市の電化のために、再生可能エネルギーである水力による小規模発電設備の建設計画を策定し、この計画の詳細設計に必要な資金につきわが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施によって、センモノロム市の住民(2012年末時点で約9千人、千7百世帯と推計)に電力が安定的に供給されるとともに、同市が提供する教育・医療等の公共サービスの質・量が向上することが期待される。さらに、同市はモンドルキリ州(2012年時点で人口約4万人と推計)の州都であることから、同市の電化が州全体の経済発展を牽引することが見込まれる。
(参考)カンボジア王国は、東南アジアに位置し、人口1,450万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は321ドルである。