平成17年8月25日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「ホアビン総合病院改善計画」(the Project for the Improvement of Hoa Binh General Hospital)の実施に資することを目的として、9億6,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月25日(木曜日)、ホアビン省ホアビン市において、わが方服部則夫駐ベトナム国大使と先方チャン・リュ・ハイホアビン省人民委員長(Mr. Tran Luu Hai, Chairman of Hoa Binh Provincial People's Committee)との間で行われた。
- 現在、ベトナムは保健医療セクター整備のため、「病院ネットワーク開発計画」(2002~2005/2010年)を策定し、全国民に対する地域毎の医療ニーズに適合した良質な医療サービス(プライマリー・ヘルス・ケア)の提供、罹患率の低下と平均余命の向上等と共に、医療機関毎の有機的な連携を主要目標にしている。
こうした計画を踏まえ、ベトナム保健省は平均余命・乳幼児死亡率・医師充足率等が全国平均に比べて劣っている同国北部の医療サービス改善が急務であるとし、山間部地域で医療サービスが立ち後れているホアビン省を医療サービス改善のモデル地域に選定した。
1960年に建てられたホアビン総合病院は、多数の施設が無秩序に分散配置されている状況で、効率的な医療活動が阻害されることによる院内感染の発生が懸念されている。ホアビン省の予算等により病院の全体的な建て替えを実施してはいるものの、予算の不足等から同病院の中核とも言える技術棟の建設に着手できなかった。
このような状況の下、技術棟の建設および耐用年数の超過や数量が不足している医療機材の整備に必要な無償資金協力をわが国政府に要請してきたものである。
- この計画の実施により、老朽化したホアビン総合病院の施設・機材が改善され適切な医療サービスの提供が可能となる。また、分散配置されている中央診療機能が集中化されることにより、効率的な医療サービスの提供と院内感染の予防が期待できる。
(参考)
ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、国土面積は32万9,241平方キロ、総人口約8,250万人(2004年)、1人あたり国内総生産(GDP)が約482ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。