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世界食糧計画(WFP)を通じたアフリカ諸国に対する食糧援助について

平成17年7月26日

  1. わが国政府は、世界食糧計画(WFP)を通じ、スーダン南部帰還民および東部・南部アフリカ諸国に対し、合計15億円(約1,400万ドル)の食糧援助を行うこととし、このための書簡の交換が、日本時間7月26日(火曜日)、ローマにおいて、わが方松原亘子駐イタリア国大使と先方スサナ・マルコーラWFP事務局次長(Ms. Susana Malcorra, Deputy Executive Director)との間で行われた。

    今回の食糧援助の対象内訳(カッコ内は供与額)。

    (1)スーダン共和国南部帰還民と受入れ住民 (5億3,000万円)
    (2)ケニア共和国被災民 (2億5,000万円)
    (3)ウガンダ共和国被災民(避難民・難民・社会的弱者等) (2億2,000万円)
    (4)レソト王国被災民 (1億円)
    (5)マラウイ共和国被災民 (2億円)
    (6)モザンビーク共和国被災民 (2億円)

  2. スーダンでは、約20年にわたり南北内戦が続いていたが、本年1月に包括和平合意が実現したことにより、スーダン各地に滞在していた約50万人の国内避難民が既に南部に帰還し、本年中にさらに75万人が帰還する見通しである。しかしながら、昨年の干ばつにより、スーダン南部では穀物収穫量が激減し、帰還する国内避難民および地元住民の間で深刻な食糧不足が発生し、約200万人が緊急に食糧を必要としている。今回の支援では、スーダン各地から南部に帰還する国内避難民と受け入れ地域住民を対象に、主食の小麦やトウモロコシを配給する。スーダンの平和を着実に定着させ、内戦に逆戻りさせないことは、アフリカ地域の安定と発展のみならず、国際社会の平和に関係する重要な課題である。こうした考えから、わが国は本年4月にオスロで開催されたスーダン支援国会合において、同国における平和の定着を積極的に支援する立場を示し、当面1億ドルの支援を行うと表明した。今回のスーダン向け食糧援助は、こうした取り組みの一環として行うものであり、あわせて7月9日に成立したスーダン統一暫定政権の新体制を支援するものである。

  3. ウガンダ北部では約18年間の反政府勢力と国軍の武力紛争の結果、160万人の国内避難民が発生し、このうちキャンプで生活する138 万人の国内避難民が深刻な食糧不足に直面している。略奪やこどもの誘拐も横行し、「アフリカの忘れられた危機」とも呼ばれるウガンダ北部の武力紛争も、隣国スーダンにおける和平の進展に伴い、停戦に向かうことが期待されており、WFPによれば食糧支援のニーズが今後さらに高まる見通しである。

  4. また、東部および南部アフリカ地域においては干ばつの影響で深刻な食糧不足が発生している。マラウイでは420万人が食糧不足に直面し、政府は本年に入り非常事態宣言を発出した。ケニア、レソト、モザンビークにおいても一昨年来の干ばつによる食糧不足が長期化している。こうした状況の下、わが国は、WFPより国際社会に対してアピールが発出されたことを受け、人道的見地から、また地域の安定と復興を支援する観点から、WFPを通じ、米・トウモロコシ等の穀物を購入するための資金を供与することとしたものである。

  5. アフリカ開発に係わる問題は先般開催されたG8グレン・イーグルズ・サミットでも取り上げられ、ミレニアム開発目標(MDGs)について協議する秋の国連特別総会での大きな焦点ともなる。わが国は、アフリカにおける飢えと食糧不足の軽減に向けて、国際社会と協調しつつ、積極的な貢献を行ってゆく立場である。

  6. 今回の食糧援助により、アフリカ支援国における食糧不足が緩和されることが期待される。
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