平成17年7月12日
- わが国政府は、キリバス政府に対し、「ベシオ港修復計画(2/2期)(the Project for Rehabilitation of the Betio Port)」の実施に資することを目的として、総額5億2,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月12日(火曜日)、タラワにおいて、わが方飯野建郎駐フィジー諸島共和国大使と先方ターム・ビリボ外務次官(Mr. Taam Biribo, Secretary for Foreign Affairs and Immigration)との間で行われた。
- ベシオ港は、キリバス唯一の貿易港であり、食糧や日用品のほとんどを輸入に頼る同国への物資の窓口であるとともに、国内各離島への物資および旅客輸送の基地となっている。同港は、1997~2000年度のわが国無償資金協力により、コンテナの陸揚げ等が可能な近代的な港湾に整備がなされた。
しかしながら、2002年11月末に、同港は大規模なエルニーニョに起因すると考えられる異常波浪により被災し、護岸が破壊される等の被害が発生した。その結果、今後同様の異常波浪に見舞われた場合、大規模な破壊が生じる可能性が高いだけでなく、現在も波浪による土砂流出の結果、背後地盤の陥没や道路の陥没、護岸の倒壊が進行しており、何らかの修復を行わない限り、港湾機能の大幅な低下は避けられない状況にある。
このような背景のもと、同国政府は、被災したベシオ港の修復および同様の異常波浪への対策を施す、「ベシオ港修復計画」を策定し、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、ベシオ港の港湾機能が回復するとともに、今後同様の異常波浪が発生した際の港湾の耐久性が確保されることとなる。
(参考)キリバスは赤道と日付変更線の交点を中心に、ギルバート、フェニックス、ラインの各諸島からなる島嶼国で、面積は約720キロ平方メートル(対馬程度)、人口は約9万人である。