平成17年6月21日
- わが国政府は、グアテマラ共和国政府に対し、「ケツァルテナンゴ市給水施設改善計画(第2期)」および「地方地下水開発計画(第2期)」の実施に資することを目的として、総額14億8,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月21日(現地時間6月20日)、グアテマラ市において、わが方四之宮平佑在グアテマラ大使と先方ホルヘ・ブリッツ・アブララチ外務大臣(Jorge Briz Abularach, Ministro de Relaciones Exteriores de la Republica de Guatelama)との間で行われた。
(1)「ケツァルテナンゴ市給水施設改善計画(第2期)」
(供与限度額:10億4,800万円)
(Proyecto para el Abastecimiento de Agua Potable del Area Urbana del Municipio de Quetzaltenango)
(2)「地方地下水開発計画(第2期)」
(供与限度額:4億4,000万円)
(Proyecto de Desarrollo de Aguas Subterraneas en Areas Rurales)
- (1)「ケツァルテナンゴ市給水施設改善計画(第2期)」
本案件の対象地域であるケツァルテナンゴ市は首都圏に次ぐ第二の主要都市である。同市の給水施設は1950年代から整備され始めたが、市の発展に伴って無計画に拡張されたため、都市部の給水率は95%と高いにもかかわらず、配水区画とそれに対応すべき給水施設が適切なものとなっておらず、断水、給水時間の不安定、給水量・圧力の不足という問題を慢性的に抱える地区が多く、上水の安定的供給サービスが行えない状況にある。
このような状況において、ケツァルテナンゴ市は外国の支援の下、2018年を目標とした「飲料水供給計画マスタープラン」を1999年に策定し、2000年には本件実施機関であるケツァルテナンゴ市営水道公団(EMAX)を設立し、組織強化に努めてきた。同市は、マスタープランに沿って水源、配水池、送配水管等の給水施設の整備を進めることとしているが、資金不足から進捗は停滞しているため、グアテマラ政府がわが国政府に対し、ケツァルテナンゴ市都市部の上水道整備にかかわる無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、同市において慢性化している給水時間、給水量不足、給水圧等の問題が改善され、同市民の生活環境の向上につながることが期待される。
(2)「地方地下水開発計画(第2期)」
グアテマラ政府は、これまで地方上水道の普及率を60%まで高めることを目標としてきたが、主に水量の安定しない湧水を中心とした施設のため、給水の改善は進捗しておらず、実質の水道普及率は40%台と言われている。
こうした状況を踏まえ、グアテマラ政府は、貧困層が多く居住する地方部の給水改善を目的とした地下水開発計画を策定し、わが国政府に対し、同計画の実施に必要な無償資金協力を要請した。
本計画においては、掘削機械と関連機材を供与すると同時に、これらの機材を用いて、14の村落において、井戸掘削と給水施設を建設し、貧困村落の給水状況の改善を図るとともに、井戸掘削、地下水調査、施設の運転操作等につき、必要な技術移転を行う。
本計画の実施により、対象村落の給水事情が改善され、実施機関である地方振興庁の地下水開発能力が向上することが期待される。
(参考)
グアテマラは中米5カ国の一つであり、人口は1,199.5万人、農産品が経済の根幹となっており、特にコーヒーは日本でも有名。一人あたりの国民所得は1,910ドル(2003年、世銀)。