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セネガルの「地方村落給水計画(第2期)」他一件に対する無償資金協力について

平成17年6月17日

  1. わが国政府は、セネガル共和国政府に対し、「地方村落給水計画(第2期)」および「セネガル国営放送局(RTS)TV放送機材整備計画」の実施に資することを目的として、総額10億8,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月17日(金曜日)、セネガル国ダカール市において、わが方中島明駐セネガル国大使と先方アブドゥライ・ディオップ経済・財務大臣(Son Excellence Monsieur Abdoulaye DIOP, Ministre de l'Economie et des Finances)との間で行われた。

    (1)「地方村落給水計画(第2期)」(Le projet d'approvisionnement en eau en milieu rural)3億5,500万円

    (2)「セネガル国営放送局(RTS)TV放送機材整備計画」(Le projet de renforcement des capacites televisuelles de la Radiodiffusion Television Senegalaise (RTS) )7億2,600万円

  2. (1)「地方村落給水計画(第2期)」
     セネガル政府は、貧困削減戦略ペーパー(PRSP)を策定し、給水率の向上を課題の一つとしているが、現在、都市部の給水率は90%程度まで改善されているものの、地方部での給水率は未だ28%程度しかなく、地方住民の半分以上が安全な水へのアクセスができないとされている。
     このような状況を改善するため、セネガル政府は、WHOが提唱する住民一人当り日量35リットルの安全な水の供給、排泄物・家庭排水処理施設へのアクセス率100%、水因性疾患の軽減、子供や母親の死亡率の低下等を目指している。このような状況の下、セネガル政府は、「地方村落給水計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画では、セネガルの6州(ティエス州、カオラック州、タンバクンダ州、マタム州、ルガ州、サンルイ州)において、新規10サイトと改修・拡張4サイトの計14サイトを対象に、深井戸・給水施設(貯水施設、貯水槽、機械室、管路、共同水栓等)の建設、水利用者組合の定着に関する啓蒙活動等を実施する。既に第1期として平成16年度に4億9,500万円を限度とする額の供与を約束しているが、今回の第2期では、マタム州、ルガ州、サンルイ州の7サイトが対象となる。
     この計画により、対象地域の住民45,070人(2014年計画人口)に、安全且つ安定した水供給が可能となる。また、水利用量が0~25リットル/人/日から35リットル/人/日まで増加することが見込まれ、水因性疾病の発生やそれによる乳幼児の死亡率の軽減に資するとともに、就学期の児童や女性が水汲みの過酷な労働から解放され、就学、就職の機会の増大、貧困からの脱却に貢献することが期待される。

    (2)「セネガル国営放送局(RTS)TV放送機材整備計画」
     セネガル政府は、国家開発計画(2002~2004年)において、生産活動の活性化を目的とした人材開発(教育、健康、職業教育)が必要であるとしている。同計画を受け、唯一の公共放送局であるセネガル国営放送局(RTS)は、2003年に活動計画を制定し、国民の全階層に情報を伝達し、教育の機会を与え、生産活動を促進することを目指している。RTSは、1988年のわが国無償資金協力により、テレビ放送用の番組作成スタジオ、ニューススタジオ、主調整室、編集室、ラジオ放送用の番組製作スタジオ等を含む現在の施設を建設した。その後、2000年に世銀の支援により、衛星伝送装置とパラボラアンテナを設置し、全国ネットの放送を行っている。
     これまで、RTSは、自助努力によりVTRやカメラ等の機材を更新してきているが、基本的にアナログシステムであり、画像の品質が低く劣化も早い。また、番組製作に使用する放送機材は、総じて製造から既に15年以上経過し老朽化が進んでいる一方で、予備品も製造元では既に生産を中止していることから、入手が困難となっており、自主番組製作に支障を来している。このような状況の下、セネガル政府は、現在放送している番組の継続と番組製作技術の向上を目標とし、既設のアナログ機材をデジタル化し、番組製作の近代化を図るために必要な機材の調達および据付に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画では、RTSがスタジオでの番組作成および局外でのニュース番組取材を行うために必要な機材を整備する。
     この計画により、RTSが放送を継続できる体制が整うと共に、RTSの番組作成能力が向上し、特に需要の高いローカル言語吹き替え番組の放送等が容易となる。

  3. なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。

(参考)
 セネガルは西アフリカ地域に位置する内陸国。総人口が10.1百万人(2003年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が470米ドル(2002年)の低所得国(世銀ランク)である。

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