
アフガニスタンの「カブール国際空港ターミナル建設計画」に対する無償資金協力について
平成17年5月18日
- わが国政府は、アフガニスタン・イスラム共和国に対し、「カブール国際空港ターミナル建設計画」(The Project for Construction of the Terminal of Kabul International Airport)の実施に資することを目的として、30億円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月18日(水曜日)、東京において、わが方町村信孝外務大臣と先方アブドラ・アブドラ外務大臣(Dr. Abdullah Abdullah, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- アフガニスタンは、長年の紛争を経て、ボン合意に基づく和平および復興プロセスを推進しているところであり、「民族のモザイク」と呼ばれる多民族の同国では、国民和解が和平を推進していく上での喫緊の課題の一つとなっている。内陸国である同国において、航空分野の復興は同国とドナー国との間の人・物の円滑な流れを確保し、復興支援を着実に実施するために不可欠である。なかでも同国唯一のカブール国際空港の施設は紛争で破壊されている他、現在のピーク時旅客を取り扱うには床面積が絶対的に不足し、必要な設備が欠けているとともに、国際線と国内線の旅客が混在し、対テロ対策として厳重な安全対策ができないという問題も発生している。
このような状況の下、アフガニスタン政府は、カブール国際空港の既存のターミナルの西側に、国際線専用のターミナルを建設し、同空港の旅客及び物の移動、運搬の流れの改善と旅客サービスの向上を図るとともに、既存ターミナルを国内線専用にして出入国の厳格な管理を目的とする「カブール国際空港ターミナル建設計画」を策定し、その計画の実施に必要な資金につきわが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 本計画の実施により、搭乗手続きおよび出入国手続の時間が大幅に短縮し、人や物の往来が促進されることにより、アフガニスタンの復興支援が着実に実施されるとともに、整備されるターミナルが国際線専用、現存のターミナルが国内線専用なることにより対テロ対策として出入国管理等の安全対策を講じられることが期待される。
- なお、今回の協力は、2004年3月、ベルリンで行われたアフガニスタン復興支援国際会議において、わが国政府が支援を表明した人道・復興支援の一環として実施されるものである。