
ルーマニアに対する円借款の供与について
平成17年3月29日
- わが国政府は、ルーマニア政府に対し、「トゥルチェニ火力発電所環境対策計画」(Turceni Thermal Power Plant Pollution Abatement Project)のため、287億4,600万円を限度とする円借款を供与することとし、このための書簡の交換が3月29日(火)、ブカレストにおいて、わが方杉内直敏駐ルーマニア国大使と先方テオドル・バコンスキ外務次官(Mr. Teodor Baconschi, Secretary of State, Ministry of Foreign Affaires)との間で行われた。
- 本計画は、ルーマニア最大の石炭火力発電所であるトゥルチェニ火力発電所に新たに排煙脱硫装置等を設置し、EU基準に準拠したルーマニアのSO2排出基準に適合するためのものである。本計画によりSO2の排出濃度が現在3,230~4,764mg/Nm3から排出基準に適合する400mg/Nm3以下に低減する見込み。
- 供与条件
(1)金利:年0.75%
(2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(3)調達条件:一般アンタイド
- 今回の円借款の実施により、トゥルチェニ火力発電所がSO2排出基準を達成することができ、2012年のEU基準達成期限後も操業可能となることで、環境政策及びエネルギー政策の両面でルーマニアの発展に寄与し、大気汚染の緩和とともに、電力の安定供給に貢献する。これにより、ルーマニアとの二国間関係の緊密化に加え、環境問題への国際協力の好例とする等、大きな効果が期待される。
- なお、今回の円借款の供与により、これまでにわが国がルーマニアに対して供与した円借款の総額は763億7,000万円となる。