
アルメニアに対する円借款の供与について
平成17年3月29日
- わが国政府は、アルメニア共和国政府に対し、「エレバン・コジェネレーション火力複合発電所建設計画」(Yerevan Combined Cycle Co-Generation Power Plant Project)のため、159億1,800万円を限度とする円借款を供与することとし、このための書簡の交換が3月29日(火)、エレバンにおいて、わが方伊藤哲雄特命全権公使(ロシアにて兼轄)と先方アルメン・モフシシャンエネルギー大臣(Mr. Armen MOVSISSYAN, Minister of Energy of the Republic of Armenia)との間で行われた。
- アルメニアの発電所の多くは操業開始後30年が経過しており、老朽化の進行に伴い、電力供給能力および設備の信頼性が著しく低下している。また、近年、アルメニア経済が好調なため、現在の電力供給能力を大きく上回る深刻な電力不足の到来が懸念されている。
このような状況の下、今回実施する「エレバン・コジェネレーション火力複合発電所建設計画」は、アルメニアの首都エレバン市近郊にコジェネレーション火力複合発電所(発電量205MW、熱供給量103ギガ・カロリー/時)を新設し、アルメニアの電力供給能力の増大およびエレバン市南部への熱エネルギーの供給を行うものである。
- 供与条件
(1)金利:年0.75%
(2)償還期間:40年(10年の据置期間を含む)
(3)調達条件:一般アンタイド
- 今回の円借款の実施により、アルメニアにおいて予見される深刻な電力不足を緩和し、同国における安定的な電力供給を通じて同国経済の持続的成長を促進するとともに、首都エレバン市南部の産業地域や一般市民の地域暖房設備への熱供給を行うことが可能となり、また、天然ガスを効率的に使用することで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素、大気汚染物質である窒素、硫黄酸化物の排出量を抑制しつつ単位燃料あたりの発電電力量を増加することが可能となる。
また、本案件の実施により、経済成長に伴う同国国民の生活水準向上、ひいては、同国の安定的発展を通じてわが国をとりまく国際環境の安定化および同国との関係緊密化に貢献することが期待される。
- なお、今回の円借款の供与により、これまでにわが国がアルメニアに対して供与した円借款の総額は213億1,700万円となる。