
カンボジアに対する円借款の供与について
平成16年9月9日
- わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「シハヌークビル港緊急拡張計画」(Sihanoukville Port Urgent Expansion Project)のため、43億1,300万円を限度とする円借款を供与することとし、このための書簡の交換が9月9日(木)、プノンペンにおいて、わが方高橋文明駐カンボジア国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(Mr. HOR Namhong, Deputy Prime Minister, Minister for Foreign Affairs and International Cooperation of the Kingdom of Cambodia)との間で行われた。
- カンボジアにおける唯一の外洋深海港であるシハヌークビル港は、大型船とコンテナ船による貨物のほぼ全量を取り扱う主要港となっているが、老朽化により近年は取り扱い貨物の重量制限がなされ、貨物の取り扱いに支障を来している。しかしながら貨物取扱量は経済活動の活発化に伴い急増しており、早晩、同港の貨物取扱量の限界を越える見込みである。
今回実施する「シハヌークビル港緊急拡張計画」は、増加するシハヌークビル港の貨物取扱量に対するための整備を行うことにより、同港の荷役機能を改善させるものである。
- 供与条件
(1)金利:年0.90%
(2)償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
(3)調達条件:一般アンタイド
- 今回の円借款の実施により、同国および近隣の周辺諸国からの物資輸送の効率化が見込まれ、同国における物資の流通が促進されると同時に輸送の信頼性が向上するほか、同国南部の地域開発、地域住民の生活水準の向上、ひいては同国の安定的発展の確保を通じてわが国をとりまく国際環境の安定化および二国間関係の緊密化に貢献することが期待される。
- なお、今回の円借款の供与により、これまでにわが国がカンボジアに対して供与した円借款の総額は107億7,500万円となる。