国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

エジプトに対する無償資金協力(食糧増産援助)について

平成17年3月30日

  1. わが国政府は、エジプト・アラブ共和国に対し、4億円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月30日(水)、カイロにおいて、わが方槇田邦彦駐エジプト大使と先方ファイザ・アブルナガ国際協力大臣(H.E. Mrs. Fayza ABOULNAGA, Minister of International Cooperation)との間で行われた。

  2. エジプトは、国土面積では日本の2.6倍あるが、国土の大半は砂漠か岩山の不毛地帯である。同国の農業はナイル川の豊富な水資源を利用して行われてきており、かつては食糧の純輸出国であったが、近年は人口増加のために食糧の輸入が増え、食糧増産は国家の重要課題となっている。
     エジプトでの主食は小麦、米、とうもろこし、ジャガイモであるが、小麦については主要食糧でありその消費量も食糧の5割を占めるにもかかわらず、その半分近くを輸入に頼っており、外貨節約の観点からも小麦の生産性向上による生産量の増大が急務となっている。
     小麦生産農家は、コンバインやトラクターの農業機械を所有していないために、手作業又は民間あるいは国営の農業機械化ステーションから必要な機械を借り入れている。農民は農繁期には賃耕サービス料金の高くなる民間を避け機械化ステーションからサービスを受けようとするが、機械の絶対数の不足から農民はこのサービスを受けられずに、多くが手作業に頼っている。
     このような状況の下、エジプト政府は農業機械の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、エジプトにおいて小麦の持続的な生産が図られることが期待される。

(参考)
 ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプトは、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する人口約6,900万人の国である。国土の大半が砂漠であるが、ナイル川沿いおよびナイル川デルタ地帯においては工業、農業が行われている。中東和平の推進やアフリカ開発問題等において積極的な役割を果たし、中東・アフリカを中心とした国際政治における重要な地位を占めている。
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