国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

アルメニアに対する一般プロジェクト無償資金協力「産科業務改善計画」について

平成17年3月29日

  1. わが国政府は、アルメニア共和国政府に対する一般プロジェクト無償資金協力として、「産科業務改善計画」(the project for the Improvement of Obstetrical Service)の実施に資することを目的として、総額2億900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月29日(火)、エレバンにおいて、わが方伊藤哲雄駐アルメニア公使(ロシアにて兼轄)と先方ノライル・ダヴィディヤン保健大臣(Mr. Norayr DAVIDTAN, Minister of Health of the Republic of Armenia)との間で行われた。

  2. アルメニアでは、ソ連崩壊後の経済状況の悪化や社会制度の変化に伴い、保健医療サービスの質が著しく低下している。保健省の統計によると、妊産婦死亡率は10万出産当たり19.2件、乳児死亡率は1千出生当たり12.0件(何れも2003年)となっており、EU諸国と比べ、2~4倍高くなっている。このため、同国は「国家保健政策2004-2015」を策定し、保健医療分野の改革(母子保健、PHC、保健財政の強化等)に取り組んでいる。また、同国では、国家プログラムにより、周産期における妊産婦検診、出産および産後検診を実施しているため、施設分娩率が高い(都市部99%、地方部84%)状況にある。
     しかしながら、医療施設が保有する医療機材の多くは老朽化しており、同国の財政難のため、機材の更新が困難となっているため、必要な周産期医療サービスが十分に提供できない状況になっている。
     このような状況のもと、同国政府は、同国の周産期医療の機能の回復を図るために、同国の3つの周産期医療施設(第三次医療施設1、第二次医療施設2)に対する周産期医療における診断・治療に必要な周産期医療機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. 本件の実施により、同国の医療機関における質の高い周産期医療診断体制が整備され、周産期医療サービスが向上することで、産婦人科外来数、妊産婦登録数が増加し、適切な周産期医療を提供することができる。また、対象病院における妊産婦への診断機能・治療機能が強化されることから、周産期における異常の早期発見および治療が可能となることに加え、安全な出産が促進され、新生児の救命率が向上することが期待される。

(参考)
アルメニア共和国は、コーカサス地域に位置し、人口は約310万人、一人当たりGNI(国民総所得)は約950ドルの国である。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る