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パキスタンの「アラマイクバル放送大学教育設備改善計画」に対する無償資金協力について

平成17年3月24日

  1. わが国政府は、パキスタン・イスラム共和国政府に対し、「アラマイクバル放送大学教育設備改善計画」(the project for Enhancement of Educational Facilities at Allama Iqbal Open University)の実施に資することを目的として、総額7億9,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月24日(木)、イスラマバードにおいて、わが方田中信明駐パキスタン国大使と先方シュジャ・シャー経済省次官(Mr. Shuja Shah, Secretary to the Government of Pakistan, Economic Affaires Division)との間で行われた。

  2. パキスタンにおける識字率、就学率は低く、特に、地方農村部居住者や女性においては極めて低い状況にある。さらに、教育を支える教員についても求められる数には大きく及ばず、初等教育において新たに約15万人の教員の増員が必要とされている。
     パキスタン政府はこのような状況の改善を図るため、「国家開発計画2001-2010」等を策定し教育分野の状況改善を重要な課題として位置づけている。改善の一環として通信教育を通じた教育機会の拡充、教員養成、地域およびジェンダー間の格差是正を図るため、アラマイクバル放送大学を中核として、テレビ放送、ラジオ放送のほか、全国に配置された地方キャンパス、地域学習センターを通じ、教育プログラムの提供を行っているが、同大学の現有機材では増加する受講生の教育ニーズに十分応えることができない状況にある。
     このような状況の下、パキスタン政府は、アラマイクバル放送大学において作成・提供している教育プログラムの拡大・充実を図るため、「アラマイクバル放送大学教育設備改善計画」を策定し、通信教育教材を作成するために必要な機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. この計画の実施により、パキスタン全体の教育レベルの改善が図られるほか、約40%を占める教員養成課程受講者が教員となることにより、将来にわたる初等教育の改善が図られるとともに、貧困層者、女性、地方農村部居住者等の教育アクセス困難な者に対する教育機会の改善が期待される。

(参考)
 パキスタン・イスラム共和国は、南西アジアに位置し、人口1億4,900万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は約652ドルである。
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