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パレスチナ暫定自治政府の財政改革のための世界銀行に対する無償資金協力(紛争予防・平和構築無償)について

平成17年3月21日

  1. わが国政府は、パレスチナ暫定自治政府による財政管理改革の努力を支援するため、世界銀行に設けられた西岸ガザ財政管理改革信託基金に対し、3,000万ドルの無償資金協力(紛争予防・平和構築無償)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月22日(火)(現地時間同21日(月))、米国ワシントンDCにおいて、わが方加藤良三駐米国大使と先方クリスチャン・ポートマン世界銀行副総裁(Mr. Christiaan Poortman, Vice President of the World Bank)との間で行われた。

  2. パレスチナ自治区では、2000年9月のイスラエル軍との衝突発生以来、イスラエル軍が同自治区を封鎖して人や物資の移動を制限したこと等により経済状況が悪化しており、パレスチナ暫定自治政府(PA)は大幅な財政赤字に見舞われている。わが国も2004年5月に紛争予防・平和構築無償により1000万ドルを世銀財政改革信託基金を通じて拠出することを決定した(同9月に拠出済)。しかし、その後もパレスチナ経済停滞のため、PA財政の改善は進まず、2004年末のAHLC(パレスチナ支援連絡調整委員会)非公式会合においてPAは2005年に向け5.5億ドルの財政支援を国際社会に要請しており、財政支援は2005年から2007年のPA中期開発計画(Medium Term Development Plan)の中でも最重要分野となっている。

  3. 今回の紛争予防・平和構築無償は、このような経済状況の中で世界銀行等の協力を得つつ粘り強く財政改革を進めているパレスチナ暫定自治政府を支援するものであり、具体的には、同自治政府の経常支出を賄うために資金が使用される。

  4. なお、今回の支援は、去る2月1日にわが国で成立した中東和平支援のための平成16年度補正予算6000万ドルの追加支援の一環として行われるものである。

  5. 今回の無償資金協力により、パレスチナ暫定自治政府の厳しい財政事情が改善され、同政府が改革を進展させることが期待される。

(参考)
 パレスチナ自治区は、地中海の東岸に位置し、イスラエルとヨルダンに挟まれた西岸地区およびイスラエルとエジプトに挟まれたガザ地区とから成る。中東戦争の結果1967年以降イスラエルにより占領されていたが、1993年のオスロ合意によりパレスチナ人による暫定自治が認められている。両地区を合わせた人口は約340万人であり、1人当たりの国内総生産は925ドル(2003年、世銀)と推定されている。
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