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シエラレオネ共和国の「開発のための武器回収計画」に対する無償資金協力について

平成17年3月18日

  1. わが国政府は、国連開発計画(UNDP)を通じ、「開発のための武器回収計画」(Arms For Development)の実施に資することを目的として、2億500万円の紛争予防・平和構築無償を供与することとし、このための書簡の交換が、3月18日(金)、アクラ(ガーナ)において、わが方内山浩二郎駐シエラレオネ国臨時代理大使(ガーナ常駐)と先方グラハム・チパンデ国連開発計画シエラレオネ事務所上席経済顧問兼貧困・人間開発課長(Dr. Graham Chipande, Senior Economic Advisor and Head of the Poverty and Human Development Unit, UNDP, Sierra Leone)の間で行われた。

  2. 90年代より約11年にわたって続いた内戦により約5万人が殺害され、人口の半分が土地を追われたとされるシエラレオネにおいては、2000年11月、シエラレオネ政府と反政府勢力の間で停戦合意が成立、その後国連シエラレオネミッション(UNAMSIL)の支援を得て、戦闘員の武装解除、社会復帰が進められた。2002年1月には武装解除プロセスと内戦の終結をアルハジ・アフマド・テジャン・カバ大統領が宣言し、同年5月の大統領選挙・国会議員選挙を平和裏に実施した。
     以来、国際社会の支援を得て、国内避難民および帰還難民の再定住も進み、社会は安定に向かっている。UNAMSILは、2003年以来段階的に縮小し、現在2005年中の撤退(現在のところ05年6月30日)を目指してはいるが、規模を縮小しながらも完全撤退に踏み切れていない。この理由としては、シエラレオネの治安組織の育成が追いついておらず、シエラレオネ政府および国民の治安維持に対する不安が根強いことが挙げられる。治安面での不安要因の一つが、政府のDDRプロセスでは回収しきれず、元兵士などにより隠匿され依然として滞留するとみられている、登録されていない非合法な小型武器の存在である。これらの武器は、国内治安面での不安要因であると同時に、政情不安が続く近隣国の情勢次第で域内を移動していることが観察されており、その回収を進めることと同時に、合法な武器に関しては登録制度を確立しその移動を将来的には近隣諸国がモニター出来る体制を整えることが重要となっている。
     国連開発計画は、2003年以来、これまでにAFD(Arms For Development)事業の下で全国149地区中17の地区で実施した武器回収で、すでに2000丁を越える武器を回収してきた。このような状況の下、UNDPは本計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。

  3. わが国はTICAD(アフリカ開発会議)プロセスを基軸とする対アフリカ支援の3本の柱、「平和の定着」「経済成長を通じた貧困削減」および「人間中心の開発」をあげており、本計画の実施により、シエラレオネにおける武器回収が促進され、治安が改善し、その結果、平和の定着の進展に寄与することが期待される。また、本計画へのわが国の支援により、6郡50地区において新たな武器回収事業の実施が可能となる他、新たな武器管理法制度の構築や国境地域における水際措置の強化に貢献することとなる。
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