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パレスチナに対する食糧援助について

平成17年3月18日

  1. わが国政府は、今般、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)および世界食糧計画(WFP)を通じ、パレスチナ難民および難民以外のパレスチナ住民を対象として合計6億5,000万円の食糧援助を行うこととした。

  2. 政府は、UNRWAを通じ、パレスチナ難民を対象に5億円の食糧援助(小麦粉および豆類)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月18日(金)、UNRWA本部において、わが方小畑紘一駐ヨルダン国大使と先方ピーター・ハンセンUNRWA事務局長(Mr. Peter Hansen, Commissioner-General)との間で行われた。また、世界食糧計画(WFP)を通じ、難民以外の西岸およびガザ地区に居住するパレスチナ住民を対象として、1億5,000万円の食糧援助を行うこととし、このための書簡の交換が、日本時間3月18日(金)、ローマにおいて、わが方松原亘子駐イタリア国大使と先方シーラ・シスルWFP事務局次長(Ms. Sheila Sisulu, Deputy Executive Director)との間で行われた。

  3. 2000年9月に西岸・ガザ地区においてイスラエル・パレスチナ間の衝突が発生したことにより暴力の連鎖が継続し、パレスチナ自治区域内の失業・貧困問題が悪化している。一方、本年1月9日の長官選挙で選出されたアッバース新長官と連立政権を率いるシャロン・イスラエル首相が本年2月8日に直接会談する等、中東和平プロセスを前進させる歴史的好機が到来している。わが国は、こうした状況を踏まえ、また、パレスチナ人の置かれた過酷な状況を緩和することにより平和プロセスを支援する観点から、食糧援助を実施することとしたものである。

  4. UNRWAは、本支援により購入した小麦粉および豆類を西岸およびガザ地区、レバノン、シリア、ヨルダンに滞在するパレスチナ難民に配給する計画であり、また、WFPは、西岸およびガザ地区に居住する難民以外の脆弱者(孤児、老人、栄養不足の児童、病弱者等)を対象に小麦粉を配給する予定である。

  5. これらの事業の実施により、パレスチナの食糧事情の改善がはかられ、さらに中東和平プロセス前進への一助となることが期待される。

    (参考)
    1. 「パレスチナ難民」とは、1948年の第一次中東戦争の結果、パレスチナを追われた者およびその子孫を示す。人口は約413万人。

    2. わが国は1970年以来UNRWAを通じパレスチナ難民に対する食糧援助を実施している。なお、WFPを通じたパレスチナ住民への食糧援助は今回が初めて。
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