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グルジアに対する無償資金協力(ノンプロジェクト無償および食糧増産援助)について

平成17年3月11日

  1. わが国政府は、グルジア共和国政府に対し、経済構造改善努力推進と債務問題を含む経済困難緩和への寄与および食糧増産援助の実施を目的として、総額5億円を限度とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月11日(金)、トビリシにおいて、わが方安部忠宏駐グルジア大使(アゼルバイジャンにて兼轄)と先方ヴァレリ・チェチェラシュヴィリ財務大臣(Mr. Valeri CHECHELASHVILI, Minister of Finance of the Georgia)との間で行われた。
     (1)ノンプロジェクト無償資金協力 供与限度額 3億円
     (2)食糧増産援助 供与限度額 2億円

  2. ノンプロジェクト無償資金協力について
     グルジアは、1991年の独立後、市民戦争と呼ばれる民族紛争による内戦の結果、国内経済は極度に疲弊し、旧ソ連の新独立国(CIS)の中で最貧国に位置づけられている。同国では、2003年6月に国家開発戦略として承認された「経済成長と貧困削減計画」(EDPRP)を推進しているが、自国の経済回復を最優先課題として、汚職の一掃、国家財政の再建、行財政改革の推進、電力をはじめとする経済インフラの整備・復興に取り組んでいる。しかしながら、慢性的な財政赤字に悩まされ、他国からの電力輸入などにより生じるエネルギー部門での負債を中心とする対外債務は、同国経済の足かせになっている。
     今回のノンプロジェクト無償資金協力は、構造調整の実施に取り組んでいるグルジアに対し支援するもので、この計画の一層の推進に必要な商品を購入する代金の支払いのために使用される。

  3. 食糧増産援助について
     独立後、グルジア国内のコルホーズおよびソフホーズが解体され、農地の私有化が進められた結果、旧ソ連邦時代の大規模農業が崩壊するとともに、それまで行われていた農業機材の更新が途絶えたため、保有機材の老朽化が進み、単位当たり収穫量は減少している。加えて、旧ソ連における農業の分業体制の中で、本来は穀物生産に適した地域であるにも拘わらず果樹栽培が強制されていた。このため、現在でも、主食である小麦の自給率が特に低く、2002年は約5割となっている。
     同国では「農業開発計画」を策定し、食糧の自給率の向上を目標として掲げているが、外貨不足に苦しむ同国にとって、肥料および農業機械等の投入資材が調達できないため、食糧不足は恒常的な問題となっている。
     このような状況の下、グルジア政府は小麦等の食糧増産を目的として、農業機械の調達のために必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。今回の食糧増産援助により、食糧生産の向上を目指す同国の自助努力を支援するために、必要な農業資機材が調達されることで、同国における小麦等の作物の早期の自給達成に寄与することが期待される。

(参考)
 グルジア共和国は、コーカサス地域に位置し、人口は約510万人、一人当たりGNI(国民総所得)は約830ドルの国である。
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