平成17年3月9日
- わが国政府は、ブータン王国政府に対し、3億円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月9日(水)、インドのデリーにおいて、わが方榎泰邦駐ブータン特命全権大使(インドにて兼轄)と先方ダゴ・ツェリン駐日特命全権ブータン大使(Dago Tshering,Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the Kingdom of Bhutan to Japan)との間で行われた。
- ブータンでは、就業人口の約80%が農業に従事しており、GDP(国民総生産)においても農業の占める割合は32.7%に達するなど、農業は同国経済の重要な基盤となっている。しかしながら、同国は、険しい地勢のため耕作面積が狭隘であり、既存の耕地においても段々畑や棚田が多いなど必ずしも農業に適していない。さらに、労働力が不足しているにもかかわらず、生産性の低い伝統的農法に依存しているため、主食である米の自給率が6~7割程度に留まるなど、農業生産性が停滞している状況にある。
このような状況の下、ブータン政府は、農業生産性を向上させるための農業機械の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- わが国は、食糧増産の向上を目指す発展途上国の自助努力を支援するため、食糧増産援助を通じて、必要な農業資機材を供与している。本無償資金協力によりブータンの食糧自給率が向上し、食糧の安全保障が強化されることが期待される。
(参考)
ブータンは、面積約4万6,500平方キロ、人口約65.8万人(2000年ブータン政府資料)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)590米ドル(2002年世銀資料)である。