
イエメンに対する無償資金協力(食糧増産援助)について
平成17年3月8日
- わが国政府は、イエメン共和国に対し、3億円を限度とする額の無償資金協力(食糧増産援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、3月8日(火)、サヌア市において、わが方石井祐一在イエメン大使と先方アフマド・スーファーン副首相兼計画国際協力相(H.E. Mr. Ahmed Sofan, Deputy Prime Minister and Minister for Planning and International Cooperation)との間で行われた。
- イエメンは1990年に南北が統一されたが、1994年に勃発した内戦により国内経済に大きな打撃を受けた。内戦終了後は、農業等の発展に重点を置いた計画を策定し、農業を重点課題に掲げつつも、乏しい降雨量等の悪条件、高い人口増加率により国内の食糧不足は改善されておらず、その多くを輸入に依存している。このため、食糧自給の改善はイエメンの重要課題となっている。
同国の主食は小麦、メイズ、ソルガム、ミレット等であり、このうち小麦が3分の2を占めているが、ほとんどを輸入に頼っている。その他の主食もジャガイモを除いては輸入に頼っており、イエメンの労働人口の5割近くが農業に従事しているが、国内消費の8割近くを輸入に依存している状況である。
イエメン政府は2000年からの「第二次国家開発5ヶ年計画」での農業分野の発展を重視し、農業機械化の促進により農業の効率化を進め、主要食用作物の国内生産量の増加を目標としている。
このような状況の下、イエメン政府は、農業機械の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
- わが国は、食糧生産の向上を目指す開発途上国の自助努力を支援するため、食糧増産援助を通じて、必要な農業資機材を供与しているが、この計画の実施により、イエメンの農業生産が向上することが期待される。
(参考)
イエメンはアラビア半島南端に位置し、北はサウジアラビア、東はオマーンと接し、アラビア半島唯一の共和制国家であるとともに唯一の後発開発途上国(一人あたりGNP:490ドル(02年))で、面積は55.5万km2(日本の1.5倍)人口 1,949万人の国である。