平成17年3月7日
- わが国政府は、エリトリア国に対し、4億円を限度とする額の無償資金協力(食糧援助および食糧増産援助)を行うことし、このための書簡の交換が、3月7日(月)、ナイロビにおいて、わが方宮村智駐エリトリア国大使(ケニアにて兼轄)と先方トゥームズギ・テスファ駐ケニア共和国エリトリア国臨時代理大使(H.E. Mr. Teumezghi Tesfa,Counsellor, Charge d'affairs and interim of the Embassy of the State of Eritrea in Kenya)との間で行われた。
- (1)食糧援助(1億円)
エリトリアでは、近年の旱魃の影響に加えて全土に広がった害虫被害により、深刻な食糧不足が続いている。
このため、エリトリア政府は、食糧支援等に可能な限りの資源を活用して対応に努めているが、食糧不足を克服するため、更なる支援を必要としている。
このような状況の下、エリトリア政府は干ばつ被害による食糧不足を解消するための小麦の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(2)食糧増産援助(3億円)
エリトリアは長年の内戦やエチオピアとの国境紛争により、国内インフラは未開発段階である上、近年の旱魃により、食糧自給率は2~3割程度に過ぎない。農業労働人口は全労働人口の8割を占めるにも拘わらず、農業分野はGDP(国内総生産)の2割にも満たない。大半の農家が営む小規模自給農業は、灌漑施設を持たない天水依存型農法であるため毎年の生産量の変動は大きい。一昨年は特に干魃がひどく自給率が1割となっており、国民の多くが慢性的な食糧不足や貧困に苦しんでいる。このような中、エリトリア政府は、国家開発計画の中で農業資機材の普及・農業の近代化による食糧増産を行うことを目標としている。このため、日本に対して肥料及び農業機械の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- エリトリアは、昨年6月のサミットでも、「アフリカの角」地域として支援対象国として言及されている。わが国は、食糧生産の向上を目指す開発途上国の自助努力を支援するため、食糧増産援助を通じて、必要な農業資機材を供与している。本無償資金協力により、エリトリアの食糧不足の緩和および食糧生産が向上することが、期待される。
- なお、今回の協力は、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。
(参考)
アフリカ北東部(通称:アフリカの角)紅海沿岸に位置するエリトリアは、11万7,000平方km(北海道と九州とを併せた広さとほぼ同じ)の国土を有しており、総人口が420万人、一人当たり国民総所得が160ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。