
アフガニスタンの「アフガニスタン新生計画」に対する無償資金協力について
平成17年3月3日
- わが国政府は、国連開発計画(UNDP)を通じ、アフガニスタン移行政権による元兵士の武装解除・動員解除、社会復帰(DDR)事業を支援する「アフガニスタン新生計画」(Afghanistan's New Beginnings Programme)の実施に資することを目的として、30億円の紛争予防・平和構築無償を供与することとし、このための書簡の交換が、3月3日(木)、カブールにおいて、わが方奥田紀宏駐アフガニスタン大使と先方アミーラ・ハク国連開発計画アフガニスタン常駐代表(Ameerah Haq,Resident Representative, United Nations Development Programme, Afghanistan)の間で行われた。
- アフガニスタンでは、20年以上にわたる内戦の終結を受け、2001年12月、和平プロセスの道程についてアフガン各派が合意した「ボン合意」では、すべての軍隊と国内の武装勢力が中央政府の指揮統制下におかれ、新たな軍隊が再組織されることが規定された。その後、和平プロセスは、2002年6月の緊急ロヤ・ジェルガ(国民大会議)による移行政権発足、2004年1月の新憲法採択と進展しているが、未だ地方に割拠する軍閥の解体は、アフガニスタンにおける「平和の定着」のための重要な課題となっている。2002年5月、アフガニスタンを訪問した川口順子外務大臣(当時)は元兵士の復員のための「平和のための登録」構想を提唱し、以後、わが国は、DDR(武装解除、動員解除、社会復帰)を通じた軍閥解体のためのアフガニスタン移行政権の努力に対する支援を、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)とともに主導している。2003年2月には、ハミード・カルザイ移行政権大統領らの出席を得て「アフガニスタン「平和の定着」東京会議」(DDR国際会議)を開催、その後も、本計画への支援に約70億円の無償資金協力、在アフガニスタン大使館を通じた政策支援、除隊兵士の社会復帰プログラムに従事する指導員の訓練、アフガニスタン政府実施機関による武装・動員解除を監視する国際監視団の組織などを実施していている。
2003年10月24日、カルザイ大統領のDDRの開始宣言によるDDRプロセスの試行段階が始まり、2004年3月27日からの本格段階においては、特に10月9日の大統領選挙前後に武器を捨てて政治に参加する機運も高まったこともあって、2005年2月末には、合計4万2000名が武装・動員解除され、190の部隊のうち151部隊が解体されるに至った。
これにより、本年6月までの武装・動員解除の達成も視野に入ってきており、このような目標達成のため、更なる支援が不可欠となって
いる。
- DDRの進展は来る議会・地方選挙の実施のための環境情勢においても重要な意義を有しており、本計画に対する支援は、アフガニスタンにおける治安の改善と和平プロセスの進展に大きく貢献するものである。